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「ヨーグルッペ」が本格的すぎるゲームに。なぜ生まれたのか聞いてみた

ビジネス

面白おかしく企画ができる商品

 ゲームは好評を博したが、配信は10月31日までとされている。

「8か月かけて制作しましたが、配信は2か月で終わってしまいます。ただ、反応を見ていると、ある方のTwitterでは3万いいねをしてもらったりと、みなさん話題にしていただいて、十分回収できたかなという感想です」

 また、平田氏は今後の自社商品のキャンペーンに対する展望も語ってくれた。

「来年は自社の扱う飲料水『スコール』が50周年を迎えるため、50周年キャンペーンへの良い布石になったと思っています。具体的なことはまだ決まっていませんが、また面白いことをやれたらと考えています。

 ヨーグルッペのキャラクターはどこかコミカルで、面白おかしく企画ができるということもありました。そういう意味では、今回のゲームは商品のデザインのおかげもあるのかなと。その点、スコールは『愛』をコンセプトにしたかっちりとした商品です。50周年では、商品のコンセプトを大きくは壊せませんが、『真面目に面白く』をモットーにやりたいですね。時代的にもそちらの方が合っていると思います」

企画をする上で大切なこと

南日本酪農

「企画をする上で一番大切なことは、相手の立場に立つこと。自分の会社のスタンスもありますが、まずは相手に面白いと思ってもらえるかどうかを大事にしています。もうひとつは、商品のイメージを傷つけないこと。この2つを大事にしています。

 同じことをずっとやっていても何も変わらないので、企画では必ず以前とは違う要素をひとつは入れるように心がけています。ルーティンばかりだと自分が楽しくないし、自分がワクワクしていないと他人をワクワクさせることはできないと思います。毎年同じような仕事であっても、前とは違う面白い工夫をし、チャレンジすることが大切だと考えています」

 一方で、長く続くブランド商品のイメージを守りつつ、面白いこと、新しいことに挑戦するには苦労もある。商品のブランドイメージを守ることと、新しいことに挑戦するマインドをどう両立させるのか。最後に平田氏は語ってくれた。

「ブランドイメージを守ることと新しいことへにチャレンジすることは上手にバランスを取らなければなりません。乳製品を扱う会社ということもあり、どうしても真面目な広告展開が多い。少しはみ出たことをやる時は、社内での説得に苦労することもありますが、説明ができるのであれば自由にさせてくれる会社でもあります。挑戦をさせてくれる環境下で、周囲に自分の考えを説明できることが重要になってくると思います。

 今回は『ヨーグルッペトレジャー』以外にも、30年以上更新していなかったヨーグルッペのテレビCMも新たに配信しています。そちらも見ていただけると、よりヨーグルッペの世界観を楽しんでもらえると思っています」

<取材・文/江連良介>

ライター、編集者。書籍・WEB問わず、テクノロジー、福祉、環境、法律、政策分野などで多数執筆している。硬めの話題が多いが、最近はソフトな記事にも挑戦中。北海道から働き方を考える日々。ツイッター(@ezure_ryosuke

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