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借金450万円をホスト業で完済した大学生が「売れっ子ホスト」から学んだ仕事術

学び

「ホスト」という職業に、皆さんはどんなイメージを持ちますか? 簡単に毎月何百万も稼いでいる職業だと思う人も多いんじゃないかと思います。僕は学生時代、450万円の奨学金を返済するために、ホストとして働いていたことがありました。

実家が全焼したサノ氏

実家が全焼したサノ氏

 実際に働いてみてわかったのは、華やかな世界を過ごしているのは一部の売れっ子ホストだけだということ。その他の売上の低いホストの仕事はお店の雑用がほとんどで、なかなかお金を稼ぐことができません。そして、華やかな世界を過ごす売れっ子ホストには、売れっ子になるための仕事術があることを知りました。

 容姿やトーク力が優れているわけでもないただの大学生だった僕ですが、その仕事術を学ぶことによって最終的にはお店のナンバー2ホストになり、在学中に学費を貯めることができました。それはホストだけではなく、仕事や勉強など、いろいろなことに当てはまるものでした。今回は、僕が経験した「ホストクラブでの社会勉強」についてお話ししたいと思います。

※『実家が全焼したらインフルエンサーになりました』(著・実家が全焼したサノ、KADOKAWA刊)を元に書き下ろしたものです。

噓もすべて信じてあげなさい

 ホストクラブで働いていると、まだそれほど親しくなっていないお客様からドタキャンされることがよくあります。ドタキャンの理由は、「風邪をひいた」「親戚が亡くなった」などが多いのですが、初めの頃はそれらをすべて信じていました

 しかし、3週連続で同じお客様から「親戚が亡くなった」と言われたときは、さすがに僕も噓だと気づきました。そんなときに、そのことを売れっ子ホストの先輩に相談したら、「多分噓だと思うんだけど、その気持ちをグッとこらえて、お客様を心配してあげな。たいていのホストは我慢できないから、噓を指摘して責めてしまう。だからこそ、信じてあげるんだよ。『大丈夫? つらいよな』って言ってあげるんだよ」

売れっ子ホストの発言の真意は?

ホスト

「そうすると女の子は、他の人と違う態度のおまえに惹かれるし、申し訳なくなって、最後は必ずお店に来るから」と言いました。

 僕はその言葉に感銘を受け、忠実にお客様の噓を信じ続けました。 しかし結局、そのお客様は5週連続で親戚が亡くなったのち、二度とお店に来てはくれませんでした。

 ただ、「普通のホストが怒るようなことを怒らないで接してくれるホスト」には一定の需要があり、僕を指名してくれるお客様は増えました。

実家が全焼したらインフルエンサーになりました

実家が全焼したらインフルエンサーになりました

昨日までの「切なさ」は、今日を生きるための「優しさ」へ。新橋で働くサラリーマン・実家が全焼したサノがインフルエンサーになるまでの軌跡を描いた、初のエッセイ集

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