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借金450万円をホスト業で完済した大学生が「売れっ子ホスト」から学んだ仕事術

学び

「売上の低いホスト」はなぜ「売上の低いホスト」か

実家が全焼したサノ氏

 簡単に毎月何百万円も稼いでいるように見えていたホストという仕事ですが、実際に働いてみると、とても大変な仕事だと実感しました。一方で、「売上の低いホスト」がまったく努力していないかというと、そうではなくて、まじめな方もたくさんいました。ただ、努力の方向性が「売れっ子ホスト」の方々と異なる場合が多かったです

 たとえば、「売れっ子ホスト」が営業メールを頑張っている間、「売上の低いホスト」はトイレ掃除を熱心に頑張っていました。「売れっ子ホスト」がトークでお客様を楽しませている間、「売上の低いホスト」は一生懸命お酒を飲んでいました。性格もすごくいい人たちでした。

 しかし、ホストとして大成する人はほとんどいませんでした。なぜなら「トイレ掃除」も「ヘルプでお酒をたくさん飲む」も、「売れっ子ホスト」になるために必要な条件ではなかったからです。良いか悪いかは別として、ホストとして売れるためには「ホストのルール」で努力する必要がありました

同じ努力でも、正しい方向性に努力する

 たまに結果が振るわない人に対して「おまえの努力不足だ!」と断定する人がいますが、僕はそうは思いません。もちろん努力が足りなかった人もいると思いますが、一生懸命に頑張っている人もたくさんいます。

 僕がホストクラブで働いて得た最も大きな学びは、正しい方向性で努力すると、同じ努力の量でも結果に大きな差が出るということでした。ちなみにトイレ掃除が得意だった売上の低い先輩ホストは、ホストを辞めてからは居酒屋で働いていますが、そのまじめさを買われて、今は店長を任されているそうです。

 あるルールでは活躍できなくても、違うルールだと活躍できる人はたくさんいるはずです。少しでも多くの人が、得意なことを見つけられて、楽しく過ごせるといいなと思います。

<TEXT/実家が全焼したサノ>

新橋で働くサラリーマン。幼少期に実家が全焼したことを機に、切ない人生を送る。学生時代にホストクラブで働き、卒業後はバーを経営。その後、事業拡大を目指し大学院でMBAを取得するも、バーは潰れてしまう。Twitterでは「実家が全焼したサノ」というアカウントで毎日切なかった出来事を投稿している。Twitter:@sano_sano_sano_

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