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『半沢直樹』に学ぶ、巻き込み力。実生活でも使える2つのコツ

学び

1:危険の回避のための支援

 2つの支援について解説します。まず「危険の回避のための支援」ですが、これは直面する問題に対する支援を求める場合のお願いです。たとえば、「お客様が怒っています! すぐ対応しないとクレームになり、皆様にもご迷惑がかかります!」というような緊急度の高いケースです。

 業務を行う中では、自分だけでは解決できない緊急事態もあります。その時には、事情を正直に話したうえで助けを求めます。上司など直接、お願いが難しい場合には、問題の大きさを伝え、さらに上の上司などから依頼してもらうケースもあります。

 ここで重要なのは、相手に対して解決した後に報告とともに丁寧な御礼をすることです。相手も一緒に危機を乗りきることができて良かったと効力感を得てもらうことになります。

2:期待の実現のための支援

ビジネスイメージ―ミーティング

 2つ目が「期待の実現のための支援」です。これは自分自身ではなく、困っている他者のための支援を求めるという高次元のお願いです。たとえば、「この課題は難しいけど解決すれば多くの人が助かります。そのために●●さんの力をお借りしたいのです!」というようなケースです。

 お客様のため、社会のためという「大義」について共感してもらえる相手を選ぶことがポイントとなります。また、(誰でもよい訳ではなく)なぜ、あなたにお願いするのか? という理由が明確であるほど、依頼される側の納得感は高まります。課題に対して必要なスキルや経験などをお伝えしたうえで、協力を仰ぐことで相手も有能感を得ることになります。

 ドラマでは大和田常務による「施されたら施し返す、恩返しです」という名言もありましたが、日本には昔から「情けは人のためならず」ということわざがあります。支援をいただいたら、別の機会に自分も他のメンバーの支援を行う。

 この繰り返しが自分の仕事における成長を促し、組織でのコミュニケーションを円滑にするための仲間づくりにも繋がるに違いありません。

<TEXT/コンサルタント 松木知徳>

リクルートマネジメントソリューションズ シニアコンサルタント。コンサルタントとして企業の人材開発・組織開発に従事し、数々の表彰を受ける。テクノロジーや科学的な理論をもとにした科学的な営業組織づくりの支援や従業員のモチベーションの要因を研究し、新サービスの開発を行う

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