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大手の子会社なのに手取り16万円…28歳女子、転職での「誤算」

学び

「正社員になれば生活費には困らない」「大手企業に入ってしまえば人生安泰」……という時代はもう遠い昔。大手企業の正社員となっても、生活に苦労を抱える若者は少なくありません。

 東京都内で夫・子どもと暮らす山口弥生さん(仮名・28歳)は、新卒で入社した零細出版社を2019年に退職し、ホワイトな職場への転職を成功させました。順調にキャリアアップできたと思いきや……。

家計簿

画像はイメージです(以下同じ)

想定より月収が4万円も減った「住宅手当」の落とし穴

「前職では、フリーペーパーの編集をしていました。仕事自体は楽しかったのですが、ハラスメントが酷かった上、会社が出版不況のあおりを食らってしまい、経営が危うくなってきたようで。将来の生活のことを考え、転職活動を始めました」

 狭き門を突破し、誰もがその名を知る大手企業の子会社の出版社で働くことが決まった弥生さん。転職先は事前のイメージ通り「コンプライアンスの意識が高く」「倒産の心配もない」ということで、胸を撫で下ろしたと言います。

 しかし、ここで思わぬ誤算が生まれてしまいます。

「入社面接のタイミングでは未婚だったため、確認をしそびれてしまったのですが、収入額の試算として含んでいた『住宅手当』が、当人名義の住居にのみ適用されるものだったようで……。世帯主が夫だと、もらえる額がガクンと下がるんです。この『住宅手当』だけで、想定よりも月4万円強、手取り額が減ってしまいました

「稼いでいる」夫に頼りにくい

手取り10万台

 また、昨今のコロナ禍で、仕事量が減ったことにより、残業代もほとんどないそうです。

「毎日定時帰宅です。子どももいますし、時間にゆとりをもって退社できるのはよいのですが、収入面がどうしても……。会社のイメージに比べて、給料が思ったよりも高くなかったみたいです」

 そう語る弥生さんの手取り額は約16万円。基本給を抑えて住宅手当で補う同社の制度では、世帯主以外(住宅手当がわずか)は安月給になってしまうのです。
前職で残業を多くしていた頃は28万円ほどあったため、10万円以上低くなってしまい、自身の生活を直撃しているといいます。
 
 ですが、弥生さんは既婚。彼女曰く「ある程度の稼ぎがある」という夫に頼ろうとは思わないのでしょうか?

「夫と私はもともと自立志向の強いタイプで、夫はよく『入籍で負担が増えるのは男のほう。そうはしたくない』と言っていました。私もそうだなあと納得したので、夫婦の財布は完全に別なんです。話し合いを経て、家賃や育児用プール金の割合は多少譲歩してもらっていますが、お互いに自立しているスタンスで仲良くやってきたので、夫にもたれかかるのはどうしても気が引けて……」

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