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阿部純子、“シングルマザーの気持ち”になっての発見「寄り添うことが支えに」

暮らし

長い目で見て可能性を広げるために渡米

――阿部さんは、2014年に河瀨直美監督の『2つ目の窓』で多くの賞を受賞して注目を集めました。そのまま日本で女優業にまい進する道もあったかと思いますが、2014年の8月から1年間、ニューヨーク大学の演劇科で学ぶ選択をされています。

阿部:私の人生において、お芝居というのはすごく大きな存在で、今まで知らなかった価値観に触れられる生きがいになりました。その可能性を広げたいと思ったタイミングで渡米しました。

――注目を浴びてそのままガンガン仕事をするのではなく。

阿部:自分がどういう女性になっていきたいのか、もっと長い目で見たときに、演劇を勉強したいと気持ちが向かっている今このタイミングで行くべきだと思ったんです。

 人生は計画通りにはいかないものだと、だんだんに分かってきましたが、でもそうした決断をひとつひとつ重ねていきたい。失敗することも、よかったと思えることも経験しながら、積み重ねることで、今や将来に繋がっていくのだと思っています。

渡米して得たものは、人との出会い

阿部純子

――実際に渡米してみて得たものは?

阿部:そのときはとにかく可能性をもっと広げたいという一心でした。結局、行った先の学校で、たくさんの失敗を重ねました。でも助けてくれた人たちがいた。その出会いが、何より大事なものだったと感じています。

――演劇の勉強もですが、出会いが財産になったと。

阿部:そうですね。8人のクラスで、みっちりスタジオで勉強をする家族のようなクラスだったのですけれど、その中で私は唯一のアジア人でした。おそらくとてもユニークな存在だったと思いますが、そのときの先生が、ユニークな私を受け入れてくださったんです。

 私は器用なタイプではないですし、とても慎重なところがあります。そういった部分を、先生は理解して、常に話しかけてくれました。だから楽しいという感覚になれたし、先生が受け入れてくれたから、それがクラス全員に伝播していきました。全員のことが大好きになりましたし、愛しています。

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