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テロとの戦いから撤退を望む米国。「イスラム過激派」復活に懸念

ビジネス

 9.11同時多発テロから19年が過ぎた。現在、20代のビジネスマンなら幼少期で覚えていないという方々が大半かもしれないが、管理職世代なら鮮明に覚えている人が多いだろう。

9.11犠牲者追悼碑 © Byelikova

負担を減らしたい米国の思惑

 まさに世界が変わった事件ともいえる。このテロでは飛行機2機がニューヨークにあるワールドトレードセンターに突っ込み、犠牲者はおよそ3000人。日本人も24人が犠牲となってしまった。その多くはワールドトレードセンターで働いていたビジネスマンである。

 今年も、ドナルド・トランプ米大統領、11月の米大統領選挙で民主党候補に指名されたジョー・バイデン氏もペンシルベニア州にある慰霊碑を訪れ、犠牲者とその家族に哀悼の意を表明した。しかし、すでに19年が経ち、世界でも悲劇の記憶が薄まってきている印象がある。

 9月9日にイラク駐留米軍を既存の5200人規模から3000人規模にまで縮小することをトランプ大統領が発表した。頭の中では外国の紛争からはさっさと身の引き、米国の負担を減らしたいという思惑があるのだろう。

各国でアルカイダ支持の組織が活動

ペンタゴン

バージニア州アーリントンのペンタゴン(アメリカ国防総省本庁舎)© Jeremy

 トランプ大統領もバイデン候補も中国へ厳しい姿勢で臨むと強調していることから、今後ますますテロの問題は隅に追いやられ、各地域におけるテロ組織の無法地帯が広がるかもしれない

 9.11テロを主導したアルカイダは現在では組織的に弱体化している。オサマ・ビンラディンも2011年5月にパキスタンで米軍の特殊部隊に殺害された。

 しかし、イエメンの「アラビア半島のアルカイダ」、北アフリカの「マグレブ諸国のアルカイダ」、シリアの「フッラース・アル・ディン」、ソマリアの「アルシャバーブ」、インド周辺の「インド亜大陸のアルカイダ」など、各国でアルカイダを支持する組織が依然として活動を続けている。

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