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苦境のHISが始めた“オンライン海外旅行”を体験。予想外に人気のワケは

ビジネス

 新型コロナウイルスが世界中で感染拡大するのを受け、航空業界や観光業界といった旅行に携わる企業は大きな痛手を被っている。大手旅行会社・HISも、今回の新型コロナの影響で旅行事業の売上高が大きく減少し、国内に構える営業所の3分の1にあたる80~90店舗の閉鎖を余儀なくされた。

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オンラインツアーの画面。写っているのはヤンゴンにある屋台

 旅行になかなか行けない状況の中、同社は「オンライン」にその活路を見出している。実際に筆者がオンラインツアーに参加してみた。

Zoomで参加するミャンマー旅行。楽しめる?

 今回参加したオンラインツアーは「【東京都23区在住者限定】観る・食べる・買う! 究極のヤンゴン街歩き~」というライブ配信によるヤンゴンの街歩きと、都内ミャンマー料理店の昼食付きがセットになった企画だ。

 値段は1名参加の場合は6610円(US$60)、同一住所にて2名以上参加の場合は4400円(US$40)。当日はZoomを使って現地在住のスタッフとツアーに参加する形式となっている。

 案内してくれたのは、HISヤンゴン支店駐在の古井さんと、現地ガイドのエイリンさん。軽く自己紹介とツアーで巡る場所の説明を受けたのち、早速ガイドのエイリンさん案内のもと、ヤンゴンの街歩きが始まった。

 実は、筆者は以前タイのバンコクからミャンマーへ渡航を計画していたものの、ビザ発給を忘れてしまい、あえなく行けずじまいに終わった過去がある(2018年10月よりビザなし渡航が許可)。

 今回「オンライン」という形だが、念願かなってミャンマー旅行を味わえると思うとワクワクする一方、本当に楽しめるか不安に感じるところも。

画面越しで楽しめること、そうでないこと

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イギリス植民地時代の名残りがある歴史的建造物

 

 最初はヤンゴンの中でも古き良き雰囲気がまだ色濃く残っているダウンダウンを巡った。現地の屋台で売られているミャンマーのクーン(ミャンマーの噛みタバコ)や伝統的なお菓子など、ガイドのエイリンさんが親切に解説してくれる。

 ただ、難点はやはり「味」や「匂い」といったものを味わえないところ。画面越しで美味しそうだなと思っても、実際に食べられないのがオンラインツアーの欠点なのかもしれない。

 他方、風景であればまだ楽しめる。ミャンマーの指導者アウンサンスーチーゆかりの場所や、イギリス植民地時代の歴史的建造物などはオンラインでも臨場感があり、「実際に行った気分」を味わうことができた。

 特に街歩きの途中には、タクシーに乗って移動する一コマもあったのは面白かった。ミャンマーのタクシーはメーター制ではないため、現地在住の人でも乗る前に値段を交渉するのが一般的らしい。よく海外旅行ではぼったくりのタクシー被害に遭うケースもあるが、ミャンマーでは法外な値段を提示されることはないという。

 ただ、「現地の人よりも観光客は100~200円くらい高めの値段をふっかけてくる」とエイリンさん。そんな時は「あなたのタクシーには乗りません」と断ると値引きできるそうだ。

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