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百均ショップ「セリア」が急成長。平均年収も意外と高め

ビジネス

平均年収「629万円」は想像より高い?

 さて、働く側としてはどうでしょうか。実際に働いた時の実感に関わる「給与・不祥事の有無」を財務諸表・各種ニュースから確認していきます。

 まず、勤務条件に最も影響を与える給与の状況を確認していきます。有価証券報告書によると、平均年収は「629万円」でした(2020年3月31日時点、平均年齢38.9歳)。

 ただし、この値は434人の従業員の平均で、人数比からいっても「正社員の場合」と解釈するのが適切です(同社HPによると、従業員440名、パートタイマー10,405名。2020年3月末)。

働く環境について気になることは…

セリア

100円ショップセリア羽島丸の内店 photo by kanesue CC BY 3.0

 しかしながら、大きな不祥事がない一方、気になる件が2つほどありました。

 まず4月頃に本部から指示された新型コロナウイルス感染防止対策が不十分であるという指摘が、ツイッター上で現場の従業員や顧客から複数発せられています。具体的には、無言での接客を求めたり、レジ前で不十分な大きさのプラスチックシートを使用するよう指示されたという投稿がありました(真偽は定かではありませんが)。

 現場では各自の判断でビニールシートを使っている店舗もあったようですが、本部の指示によって変更せざるを得なかったという内容の書き込みも見られています。そして、セリア本社のIRサイトやショップサイトでは本件についてのお知らせは全く掲載されていませんでした。業績は良いものの、本部と現場のコミュニケーションがやや不全であることが推察されます。

 また、2015年3月には厚労省のサイトにて「障害者の雇用状況に改善が見られない企業」として公表されてしまっている点も気になります。行政により企業名が公表されるのは「法律に対して明らかにアウト」なケースにて行われますが、当時同社は「出店数の伸びによる雇用の増加に対して、障害者の採用が追いつかなかった。国の基準を早く達成できるよう取り組んでいきたい」と答えています。

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