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東京メトロ03系がなぜ長野に?長野電鉄3000系デビューを追う

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永年存続に向けて地域密着の取り組みも

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日比谷線第1世代車両は、長野電鉄河東線、山ノ内線、屋代線を走行した最後の現役車両となった(写真は3500系)

 かつて同社は長野線長野―須坂間(当時)、河東線屋代―木島間(のちに屋代―須坂間は屋代線、須坂―信州中野間は長野線に分割)、山ノ内線(現・長野線)信州中野―湯田中間、計70.5キロを有していたが、21世紀に入ると信州中野―木島間12.9キロ、屋代―須坂間24.4キロが廃止された。

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エキナカ店舗に陳列された商品の代金は改札で支払う

 残る長野線長野―湯田中間33.2キロは永年存続に向けて、長野駅と須坂駅にエキナカ店舗を開くなど、地域に密着した取り組みが行なわれている。これからも庶民や観光客などの足として愛されることを願う。

03系引退後の現況

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03系第1編成は1988年に落成した

 03系は2020年2月28日、南千住16時02分発の中目黒行きから営業運転が始まり、中目黒18時41分発の北千住行きがラストランとなった。

 引退後、一部の車両が千住検車区、深川検車区行徳分室に留置され、中小私鉄への譲渡待ちと思われる。また、第1編成は廃車後、3両に短縮のうえ、新木場車両基地に留置されている。東京メトロによると、今後については未定だという。

第2弾と第3弾はデビューの順序が逆の展開

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03形2編成目の03-137+03-837(提供:熊本電気鉄道)

 03系“転職”の第1弾は熊本電気鉄道03形で、デビュー当初は上熊本―北熊本間の限定運用だったが、2020年3月17日から藤崎宮前―御代志間でも営業運転を開始し、全線の運転に対応できるようになった。また、4月27日から待望の2編成目が営業運転に就く。2020年度には3編成目が入る予定である。

 第2弾は北陸鉄道で、2020年1月11日に浅野川線の車両基地に1編成搬入された。しかし、7月時点、いまだ営業運転に就いていないほか、プレスリリースも発表していない。

【取材協力:長野電鉄、熊本電気鉄道、東京地下鉄】

<取材・文・撮影/岸田法眼>

レイルウェイ・ライター。「Yahoo! セカンドライフ」の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、ムック『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)『鉄道ファン』(交友社)や、ウェブサイト「WEBRONZA」(朝日新聞社)などに執筆。また、好角家の側面を持つ。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)がある

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