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コロナ禍で「無印良品」米子会社が破綻…国内事業の将来は?

ビジネス

コロナ被害が少ない国内までなぜ赤字に?

 海外事業だけでなく、国内事業も2020年3月~5月の間は営業赤字となっており、ダメージを受けています。では、国内事業は何が影響していたのでしょうか? 今度は売上高前年比(日本事業)、月次概況(全店)から確認します。

 2020年3月は90.5%でしたが、2020年4月53.1%、2020年5月70.4%となっています。2020年6月には112.0%と回復しています。こうして見ると、3月-5月は売上が落ち、6月に回復したことが明らかとなります。第1四半期の売上の減少とも整合性がとれており、新型コロナウイルス肺炎の影響がうかがえます。

 次に「データブック」の品目別売上推移のうち、「前期比」の値を通して、「どのカテゴリがダメージを受けたのかについて、状況を確認します。

 直営店62.0%である一方、WEBは123.4%、その他が186.9%(販売形態別・売上額前期比、2020年3月-5月)。全体では売上減したものの、WEBやその他の販売チャネルでは前期比で売上が増加しています。

 続いて、品目別に同様に状況を確認します。個別商品ライン別売上高(2020年3月-5月)では、衣類・雑貨55.1%、生活雑貨73.9%、食品100.6%、その他50.7%となっており、合計68.7%と出ています。

 外出自粛下でも生活必需品である食品は前年度並みであり、以前の記事で取り上げた「イオン」や「ウエルシア薬局」と同様の動きが見られました。WEBの販売チャネルが好評であることからも、早々にEC強化を進めたことはプラスに働く可能性も高いと思われます。

平均年収は576万円。大きな不祥事もなし

良品計画

無印良品(良品計画)Muji store signage. © Cineberg Ug

 さて、働く側としてはどうでしょうか。実際に働いた時の実感に関わる「給与・不祥事の有無」を財務諸表・各種ニュースから確認していきます。

 まず、勤務条件に最も影響を与える給与の状況を確認していきます。有価証券報告書によると、平均年収は「576万円」でした(平均年齢37.75歳、2020年2月29日時点)

 良品計画の場合、提出会社(=良品計画)にも従業員が2,285名在籍しており、国内事業に1,611名・管理部門に673名在籍しているため、有価証券報告書のデータを「日本国内事業の社員の平均年収」としても問題ありません。

 とはいえ、卸売・小売業の平均が406万円なので、やや高水準ですが、手放しで「年収が高い」とは言いづらい印象です。また、大きな不祥事も特に見受けられませんでした。

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