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三流大出身上司は「学歴コンプ」。エリート新人が味わった“地獄の日々”

キャリア

 厳しいノルマこそなかったが、それでも「契約を取れないと肩身が狭かった」と、加藤さん。

「1日100件回って、やっと1件契約が取れるという目安です。そのため10件取るためには、1万件回らなくてはならない。これは体力勝負の世界。頭脳を使うことのない部署に僕を飛ばした元上司のせせら笑いが目に浮かびます

IT企業に転職。リーダーの才能が開花

転職

 頭の回転が速く、即決するタイプの加藤さんは、会社に存続しても将来はないと判断します。

「大学のゼミの先輩に相談したところ『お前にふさわしくない。さっさと辞めてしまえ』と肩を押されたので、新卒で2年ちょっとで退職するのは恥だという気持ちも吹っ飛びました。辞表を出して転職活動を始めたところ、あるITベンチャー企業からスカウトされたんです

 最初はIT業界に興味がなかったものの、B to Bに定評があり、さらに海外進出が目覚ましいその企業の急成長ぶりに魅力を感じて転職。

「社内のSEのオタク君たちが、性格的に可愛らしくて、いろいろと面倒を見ているうちにリーダーとしての才能が開花したみたいです(笑)」

ツラかった時代をバネに役職も年収も大幅アップ

お金 まやかし

 転職してから2年後にタイやシンガポールなどアジア各地の支店長に就任した加藤さん。

やりがいも責任も年収も、前職と比較してぐーんとアップしました。壁にぶつかったときに、三流大学出身の元上司のことを思い出しますよ。

 上司のやっかみで飛ばされたピンポン営業で訪問した老朽化された団地のあの風景。アジアにも、あれほど暗い雰囲気の建物はあまりないかもしれない。2度とあの風景を見ないように、頑張るのみです」

 辛かったピンポン営業も、今は肥やしになっているそうです。

<TEXT/夏目かをる イラスト/三澤祐子>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。Twitterは@kaworummoonrive

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