接待から商談の場へ。第一興商が狙う「カラオケルームの可能性」
――2017年4月に正式に「ビジネスプラン」がスタートしました。実際の利用者にはどんな方が多かったですか?
鈴木:外回りの営業職の方が多いですね。ビジネス街の駅近の店舗からスタートしたこともあり、予約せずに移動中に利用できるということがあるかと思います。また、訪問先と会社の往復の必要がなくなるので時間の有効活用につながりますね。
よくレストランや喫茶店で作業している人を見かけますけど、雑音が気になったり、業務上のやりとりを周囲に知られたくなかったりする場合があると思います。カラオケルームであれば、その点を気にせずに済むかと。また、セカンドオフィスや貸し会議室のような利用も考えられます。
――「ビジネスプラン」の今後の可能性として、どのようなことが考えられますか?
鈴木:我々としては郊外にも可能性があると考えています。車での移動をされている営業マンの方などが、わざわざ拠点に戻らずに、お近くのビッグエコーにピットインして上司への連絡事項を済ませたり、必要な作業を進めたりすることもできますよね。
実際にとある会社様の方からテストしてみたいというご要望をいただいたこともあります。ただ当時は全店舗にWi-Fiが完備される前だったので、残念ながら先方のニーズにお応えすることができませんでした。
現在は全店舗にWi-Fiを導入していますので、今後は郊外へのアプローチを広げていきたいですね。
――「ビジネスプラン」の課題として、どのようなことが考えられますか?
鈴木:さきほどの話に通じますけど、プランの導入を進める上で店舗の環境設備をさらに整える必要があります。本来のカラオケ利用に加えて、働きやすい環境を用意しなくてはなりません。
ビッグエコーのなかには、カラオケ利用には適するものの、ビジネス利用に適する程度の照明の明るさ調整ができない店舗もあります。そうした店舗にはスタンドライトを別途で用意するなど照度対策を練っているところです。
また、ご利用されるお客様の貴重品を考え、可動式のロッカーなどを設置することも必要かと思います。
――若い20代の方にはWi-Fiはいいですね。ほかにどんな利用法があると思いますか?
鈴木:「ビジネスプラン」をプレゼンテーションの練習にご利用していただくのはどうでしょう。プレゼンの練習のためにわざわざミーティングスペースを確保するのって、入社間もない方だと難しいと思うんですよ。
プレゼンとか人前でしゃべるのって場数を踏む必要がありますよね。かくいう私も昔はあがり症でした(苦笑)。マイクを持って話をすると感覚も違ってくるし、自分の声の聞こえ方も違います。普段からそういう環境に慣れる必要がありますよね。
あと本来はカラオケボックスなので、練習後の息抜きに一曲歌うとか、そういう使い方も個人的には大歓迎です(笑)。
<取材・文・撮影/石井通之>