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アプリで驚異の集客。居酒屋「博多劇場」にリピーターが多いわけ

ビジネス

 飲食業界の競争は熾烈だ。居酒屋業態においても、強豪ひしめく中で、他店と差別化を図ってサービスの充実に努めなくてはならない。

博多劇場

株式会社一家ダイニングプロジェクト博多業態の幸田 翼業態長

 飽和状態の居酒屋で勝ち残っていくには、また来たくなるようなお店作りをしていかないと、他店に埋もれてしまい長くは続かないだろう。そんななか個性的な取り組みを行い、リピーターの囲い込みに成功している居酒屋がある。

 株式会社一家ダイニングプロジェクトが運営する「屋台屋 博多劇場」だ。九州博多の風物詩である屋台を再現し、お祭りのような雰囲気で楽しめる居酒屋として人気を博している(※緊急事態宣言発令を受け5月6日まで休業中。4月14日時点)。

激戦必至の飲食業界で成長する理由

 今回は、株式会社一家ダイニングプロジェクト博多業態の幸田 翼業態長に、屋台屋 博多劇場が激戦必至の飲食業界で成長する理由を伺った。

 屋台屋 博多劇場は2010年に千葉県成田市に1号店をオープンして以来、現在は47店舗まで拡大している。10年間で1都3県を中心にドミナント展開を行い、着実に各地域に根ざした居酒屋として名を馳せているのだ。どの地域でも居酒屋がひしめく状況の中で、博多劇場はなぜ集客力を維持し、拡大していくことができているのか。

「屋台屋 博多劇場は九州屋台を再現し、昔懐かしさを感じる空間作りを心がけています。活気溢れるお店の雰囲気で、九州の屋台の味を気軽に味わってほしい。そのうえで一度のみならず、3回、5回と来店したくなるような工夫をしています。

 初めて来たお客様にはアプリ会員になることを勧めていて、従業員にもアプリ会員の入会数を追うよう教育を徹底。会員ビジネスを行うことで、リピーターを囲いこむことができ、定期的な集客に繋げることができています」

アプリ会員による囲い込み

博多劇場

屋台屋 博多劇場のスマホアプリ画面。店舗情報や来店スタンプも

 2016年10月から導入した「屋台屋 博多劇場」アプリ。入会金は200円かかるが、入会すれば次回以降お通し代が無料となり、来店回数に応じた特典を受けられる仕組みとなっている。現在では、アプリ会員数は60万人を超えるという。

「来店スタンプが3個たまると、1杯目のドリンクが通常料金のまま1リットルの『どでかジョッキ』に変更でき、10個たまると名物の鉄鍋餃子を100個プレゼントしています。スタンプラリーのような感覚で、また来たくなるような特典を用意することで、リピート率向上に寄与していますね。

 また、誕生日月には歳の数だけ餃子が無料でもらえる『バースデー餃子』もアプリ会員の増加に貢献している企画。バースデー餃子を提供し盛り上がっているグループを見て、バースデー餃子の特典を知ってアプリ会員になってもらえることも多く、会員限定の特典は非常に好評をいただいています」

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