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新型コロナ沈静後も、ドライブ旅行に不安がつのるワケ

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司令官の誕生日に軍事衝突が

戦争 ミサイル

 とりあえず衝突は回避されたものの、依然として緊張は続いている。今は「新型コロナ問題」に追いやられ、テレビや新聞でもすっかり見かけなくなったが、石油産国イラクは、米イラン対立の最前線のままである。

 その証拠としては今月3月11日、イラク・バグダッド北郊にある米軍駐留基地にロケット弾15発以上が撃ち込まれ、米兵2人と英兵1人が死亡、少なくとも12人が負傷した。米国は、イラク国内で活動する親イランの武装勢力よる犯行を指摘した。ちなみにこの3月11日は、前述のイラン革命防衛隊・ソレイマニ司令官の63歳の誕生日だった。

 米軍は翌日報復として、イラク南部にある同武装勢力の拠点5か所に空爆を実施したが、14日にバグダッド北方にある米軍など外国部隊が駐留する基地に再びロケット弾25発あまりが撃ち込まれ、兵士7人が負傷した。

 このような状況下で、イランを支持する派武装勢力は声明を出し、「米軍がイラクから撤退しない限り、米軍が駐留する基地への攻撃を続ける」と警告した。

新型コロナへの対応で一時休戦

 現在、米国イラン両政府も、新型コロナウイルスの感染拡大への対応に追われ、この問題に割く時間は限られている。両国の緊張関係について、今後は秋の米大統領選の行方がひとつのポイントになる。

 トランプ大統領が勝てば、今の緊張はさらに4年間は続くことになるし、民主党候補の本命となりつつあるバイデン氏が勝利することになれば、バイデン氏のイラン政策に左右されることになるが、現在の状況からは変化が生じることになろう。

 そして、今後の中東情勢を中長期的に考えると、中国やロシアが中東でどう影響力を高めるかも注目される。

 ロシアはイランやシリアのアサド政権を長年支持し、既に軍事的な影響力を高めているし、イラク国内の動向においてはイラン側に立つことは想像に難くない。また、中国も中東での経済的影響力を高めつつある。

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