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槇原敬之逮捕で注目。精神科医が警告する「薬物報道の在り方」

オランダが薬物許可に移行した理由

松本:ここでヨーロッパ諸国は薬物の問題を健康問題として考える流れに変わっていきます。オランダを中心に、ハームリダクションという政策を取り始めました。

 簡単にいうと、国民の薬物使用量を減らすのではなく、薬物使用の結果生じる様々な害(ハーム)を減らす政策です。その具体的な方法のひとつとして、国が使用を許可して薬物をコントロールするというものがありました。

 一方、アメリカ、特に連邦政府のレベルでは引き続き厳罰で進みました。でも、その結果、刑務所に収容される人がどんどん増えた。加えて、不潔な注射器を共有することによりHIVがどんどん広がってしまった。

 しかも、今度はヘロインよりもっと強力なフェンタニールやオキシコドンと呼ばれるような処方麻薬がアメリカ中に広がり、多量服薬により、多くの人が亡くなるという、現在も炎上中の問題が起こってしまいました。

本当に必要なのは儲からない仕組みづくり

犯罪 警察

――麻薬を厳罰化したことでマイナスの影響が出てしまったと。

松本:違法化されることで、反社会勢力がその密売をしのぎにしはじめ、南米の麻薬カルテルなどが急成長し、ほとんど国ではコントロールできない状況になってしまった。南米の首脳たちはこれ以上規制があると国がおかしくなるので、とにかく薬物を非犯罪化してほしいと国連にお願いしているくらいです。

 本当に必要なのはまともな雇用を作り、街づくりをやり、密売者が儲からない仕組みを作ること。そのためには規制をやめ、非犯罪化すべきではないか、という議論が起きているのが現状です。

 こういった流れの中で国連やWHOは薬物問題を非犯罪化し、健康問題として扱うべきだとして動いており、私もそうするべきだと思っています。

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