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マスク品薄に声明を発表「ツルハドラッグ」経営と働きやすさは?

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 ドラッグストアは医薬品のみならず、日用品・食品も併せて買うことができて便利な業態です。深夜まで営業している店舗も多いので、仕事やプライベートに忙しい20代ビジネスマンも使う機会が多いでしょう。

ツルハ

ツルハドラッグ遠軽南町店  CC BY 3.0

 本連載は、身近な企業を題材にして、企業の状況の調べ方・見極め方を解説します。今回はドラッグストア業界首位の「ツルハドラッグ」(以下、ツルハHD)を題材に、その特徴・強みについて、公開情報から読み解いていきます。

ツルハHDのM&A実施状況概略

 ドラッグストア業界の売上高ランキングは下記の通りです(2018年-2019年実績)。

第1位:ツルハHD(7824億円)
第2位:ウエルシアHD(7791億円)
第3位:コスモス薬品(6111億円)
第4位:マツモトキヨシHD(5546億円)
第5位:スギHD(4884億円)

 直近は新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、全国的にマスクが品薄になっていますが、上記の大手ドラッグストアチェーンのうち、公式サイトで品薄の現状とその対応について「お知らせ」を載せたのは、ツルハドラッグのみです(2020年3月1日時点)。まず、ツルハHDの成長の原動力となっていたM&Aの状況について概略を整理します。

 2020年1月末に、大手メディアが「マツモトキヨシHDとココカラファインの経営統合」を報じた通り、ドラッグストア業界はツルハHDに限らず、大型M&Aが多い業界です。というのも、全国各地でドラッグストアは浸透しており、今後、国内での事業成長を狙うにはM&Aが有効な方法であるためです。

 ツルハHDは1929年5月に北海道・旭川市で創業しました。2000年11月に株式会社ドラッグトマト(岩手県盛岡市)の全株式を取得して子会社化したことを皮切りに、各地のドラッグストア運営企業のM&Aを進めて規模を拡大してきました。

【主なM&A経緯】

2006年11月(株)くすりの福太郎(千葉県)と業務・資本提携契約を締結
2007年5月(株)くすりの福太郎(千葉県)を株式交換により子会社化
2008年4月(株)ウイングの株式を取得し子会社化
2008年7月(株)スパーク(愛知県)の株式を取得し子会社化
2009年2月(株)ウェルネス湖北(島根県)の株式を取得し子会社化
2009年8月(株)サクラドラッグ(東京都)の株式を取得し子会社化
2013年8月(株)ウエダ薬局(和歌山県)の株式を取得し子会社化
2013年12月(株)ハーティウォンツ(広島県)の株式を取得し子会社化
2015年10月(株)レデイ薬局(愛媛県)の株式を取得し子会社化
2017年9月(株)杏林堂グループ・ホールディングス(静岡県)の株式を取得し、同社および(株)杏林堂薬局(静岡県)を子会社化
2018年5月(株)ビー・アンド・ディーホールディングス(愛知県)の株式を取得し、同社および(株)ビー・アンド・ディー(愛知県)を子会社化

 12年間のうち、ツルハHDが主体となったM&Aのみでも10つの会社を子会社化しています(子会社のツルハ、くすりの福太郎が実施したものを含めるとさらに多くなります)。グループ各社が、国内各地のドラッグストアチェーンを傘下に入れながら成長を継続しています。

業績面:営業利益・経常利益がいずれも黒字

 まず、営業利益・経常利益と店舗数の推移を確認します。

ツルハ

図:営業利益・経常利益推移(財務ハイライト より引用)

■ 営業利益…売上から原価・販売費および一般管理費を引いたもの=本業での利益

■ 経常利益…本業以外から得た利益も合わせたもの=会社としての通常の利益

 と言えるため、営業利益・経常利益がいずれも黒字で、利益額も伸びているため、本業も順調かつ、企業としても利益が継続的に出ていることが確認できました。これは、大きなプラス材料です。

 店舗数についても直近5期で、1383→2082店舗と順調に伸びていることが確認できます。特に2015年5月期には手薄だった中部・関西(40店舗)、四国(15店舗)の店舗数が2019年5月期にはそれぞれ223店舗・198店舗と大きく伸びています。

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図:店舗数推移(財務ハイライトより引用)

 ただし、お気づきでしょうか。これらの数値には海外拠点の値が含まれていません。

 実は、ツルハHDはタイにも子会社(TSURUHA (THAILAND) CO.,LTD )を持っているのですが、非連結子会社であるために、この会社から得られる利益・売上などが計上されていないのです。

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