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夏帆、10代から“仕事”をして気づいたこと「映画の世界が好き」

コラム

 一流商社勤務の夫にかわいい娘。傍から見れば何不自由ない生活を送っていた人妻が、禁断の恋に落ちていく……。直木賞作家・島本理生さんの小説を『幼な子われらに生まれ』の三島有紀子監督が映画化した『Red』。

Red

(C) 2020『Red』製作委員会

 主演は夏帆さん(28)。『予兆 散歩する侵略者 劇場版』『ビブリア古書堂の事件手帖』『ブルーアワーにぶっ飛ばす』など、特に近年、幅広いジャンル、役柄に挑戦し、評価を得ていて、大人の恋愛映画に挑んだ本作でも、体当たりの演技を見せています。

「とても難しかった」と振り返る夏帆さんに、演じ終えて感じていることや、最近の意識の変化を伺いました。

「結婚って? 母親になるって?」多くを考えた

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夏帆さん

――かなり激しいシーンもある、大人の恋愛映画です。オファーを受ける際に、怖さや迷いはなかったのでしょうか?

夏帆:自分に演じられるだろうかといった怖さ、不安はありました。

 でもそれはどの役を演じるにあたっても感じることなので、物語全体や塔子という女性を演じる難しさについての不安であって、具体的なシーンに関してということではないです。

――実際に挑戦を終えてみて感じていることは?

夏帆:とても難しかったです。反省点や課題点ばかりですね。塔子という女性の物語ですが、ひとりの女性としてどう生きていくのか、何を選択して生きていくのか、そうしたことを考えるきっかけになった作品だと思います。

――難しかったというのは、具体的にどんな点がですか?

夏帆:塔子は私自身とは違う環境にいる女性です。家庭というものに縛られて、息苦しさを感じている。そんな彼女を演じるには、きちんと家庭がある女性だということに説得力を持たせなければならないと思いました。

 私は結婚したこともないですし、ましてや子供を持ったこともありません。子供を産むというのは、とても大きな出来事だと思いますし、心も体も変わると思います。

 母親になるってどういうことなのか、きっとそれは想像以上のものがあると思うんです。娘役の奈合緒ちゃんや夫役の間宮くんと過ごす時間の中で、そこをどうやって自分の中に落とし込んでいくのか、試行錯誤しながら演じました。

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