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慰謝料の金額はどう決まる?20代も他人事でない「離婚のマネー事情」

コラム

離婚前の財産分与の範囲は?

離婚イメージ

――離婚の前に財産分与を行う必要がありますが、その際に注意することはありますか?

後藤:財産分与は、婚姻期間中に夫婦で協力して築き上げた「共有財産」を夫婦で分けることを言います。

 財産分与の対象となるのは「結婚してから別居(離婚)するまでに、夫婦の協力により形成・維持されてきた財産」です。

 結婚前から保有していた財産や、結婚後でも夫婦の一方が相続により取得した財産などは「特有財産」となり、財産分与の対象外となります。

 そのため、財産分与は共有財産を確定することから始まります。分け方としては、財産の形成や維持に夫婦がどの程度貢献したかという点に着目して決めていく方法もありますが、夫婦で2分の1ずつが一般的です。

 なお、専業主婦でも「夫の収入は妻の支えにより共同で得られたもの」と考えられ、財産分与は2分の1の割合と考えられています。離婚を急ぐあまり、財産分与を一切しないまま離婚するケースが散見されますが、財産分与は法律で認められている権利ですから、しっかり取り決めて離婚するべきでしょう。

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 離婚までの一般的な流れをご紹介しましたが、夫婦双方が納得できる解決方法を目指して離婚したいものです。離婚は今や、他人事ではなく、誰にでも起こりうるからこそ、基本的な知識を押さえておくといいかもしれませんね。

<TEXT/林加奈>

子育て中のママライターです。大学卒業後、通信関連会社、広告代理店等を経て結婚後にフリーランスのライターに転身。法律、子育て、キャリア、就活など、さまざまなジャンルの記事を執筆しています
Twitter:@emma_webwriter

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