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指原莉乃も恐怖…増加する芸能人への誹謗中傷とそのボーダーライン

残酷なマネーの新常識

 元HKT48の指原莉乃(27)がインスタグラムのストーリーで募集したある質問が、思わぬ展開となり話題となっている。

『芸能人の悪口書いちゃって訴えられたらやばいって過去ある人いますか?』

騒動となったインスタグラムのストーリー ※指原莉乃のインスタグラムより

 ことの発端は上述の、一般の人向けに指原がインスタグラムで募集した質問だ。背景には元AKB48の川崎希さんが、インターネットで誹謗中傷を書き込んだ女性2人を書類送検まで持ち込んだ事件があると考えられる。

ネットリテラシーがない人間の無邪気さが怖い

 その後、本人がTwitterにて公開した、今回の質問から波及した一連の流れを要約すると、以下のようになる。

 指原がインスタグラムにて、過去に芸能人へ誹謗中傷を行ったことがある人に向けてどんな内容を送ったことがあるか、文面を公開しないという条件付きで募集。様々な回答がきたものの、その中で過去に、指原が住んでいたマンションをネットへ晒したことがあるという人物からメッセージが届く。その書き込みは過去に実際にあったもので、そのせいで引越しをよぎなくされた彼女はその内容に恐怖を感じ、個人名を上げず、メッセージ内容のみを公開したところ、一部のネット民から公開したことに対する非難の声が上がった、という流れだ。

 非難の声に対しては、「過去にマンションを書いた犯人が当たり前にメッセージを送ってきたこと」は、今回の募集の趣旨と違うこと。「「悪口」を募集していて実際に悪口を書いた過去があるメッセージは載せずにいた」とTwitter上で説明している。

 まるで犯行を自供する愉快犯のようなメッセージに対し、彼女が取った行動は至極妥当と思えるが、こうしたネットリテラシーの低下が招いた問題は法的にはどういったケースに当たり、どう対応するのが得策なのだろうか。弁護士・公認会計士の後藤亜由夢氏に話をうかがった。

指原莉乃へメッセージを送った人は罪に問われるのか

画像はイメージです

 本問題を刑事事件、民事事件どちらで捉えるかは非常に重要だ。刑事事件として考えた場合、ある種脅迫とも取れるこうしたメッセージだが、後藤氏によると脅迫とまでは言えないらしい。

「脅迫には当たらないと思います。前提として犯罪は厳密に法律の条文に当てはまらないと人を処罰することができないという大原則があります。それを罪刑法定主義といいます。確かにこのメッセージは脅しているようにも受け取れますが、脅迫罪の条文は、生命とか身体、そういう他人の財産に危害を加えることを告げて脅した場合に当てはまるものです。つまり罪刑法定主義で考えると、仮にマンションを晒したことが事実だとして指原さんが精神的なダメージを負ったとしても、それは間接的な結果にすぎず、メッセージ自体はあくまで『生命、身体等に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した』とはいえないため、脅迫罪とはいえません」

 刑事事件を立証するうえでは前述の罪刑法定主義という概念が大原則だと語る後藤氏。今回のケースは刑法上当てはまる条文がないため犯罪とされるのは難しいと前置きしたうえで、以下のような罪状に問われる可能性もあると語った。

「非常に低いものの、名誉毀損罪、信用毀損罪、偽計業務妨害罪という三つの罪状に当てはまる可能性があります。一つづつ説明すると、名誉毀損罪は公然と本人の名誉を下げるような行為をした場合。信用毀損罪というのは名誉毀損と同じようにネットに書きこむなどし、名誉よりも経済活動を阻害した場合に当てはまるケースです。最後に、偽計業務妨害罪ですが、これもネットでよくあるのですが、デマ、嘘を流して特定のお店の経済活動等を妨害するケースですね。

 そのうえで、今回のようにマンションのメッセージを書いただけでは、特段指原さん個人の名誉を下げたり、芸能界における経済活動を妨害するとは一概には言い切れません。またデマでないことも指原さん本人が認めています。よって刑事事件としての立件は難しいと思います」

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