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指原莉乃も恐怖…増加する芸能人への誹謗中傷とそのボーダーライン

暮らし

仮に訴訟になった場合どうなるのか

 刑事で考えた場合は難しいとのことだが、民事で考えてみるとどうだろう。今回のメッセージが民事でいう不法行為に当たる可能性は?

「プライバシーの侵害には当たると思うので、指原さんが民事として、過去にマンションを晒した人に対し、損害賠償請求を起こすことは理論上可能です。しかし、マンションを晒されただけではほとんど賠償は取れないでしょう。裁判所に認められる可能性がそもそも低いですが、仮に請求が認められたとしても20~30万、良くても50万ほどだと思います。

 ただ、晒されたことにより、人が集まるようになって引っ越しを余儀なくされたとかになると、ファンがたむろしている様子を写真にエビデンスとして残すなどし、家をネットで晒されたことと引っ越したことによる損害の因果関係が立証できれば、引っ越し代とか移転費のような実際に伴った損害も加えて請求することができると思います。損害と行為に因果関係があることが大事ですね」

 損害と行為に因果関係さえあれば、費用は請求できるというのは大きい。しかし、芸能人ならではの問題もある。

「芸能人はプライバシーが侵害されやすいのですが、芸能人のプライバシー侵害による損害賠償は一般人と比べると成立しにくいんです。職業の性格上、個人情報を公共に晒して経済活動を行っているためです。有名税といってもいいかもしれません」

 マナーのなっていない人々への抑止力として、芸能人が自衛のために匿名情報を公開することも今後は増えていくのかもしれない。当然だが、お遊び半分で他人を誹謗中傷するのはさけたほうがよいだろう。

メディアも伝え方に責任を

 ちなみに指原さんは、

「訴えることが怖い人(表に出る職業だけじゃなく職業の人)ってたくさんいろんだろうなあと改めて感じました。

恐ろしく長くなってしまったけど、自分に子供ができたらネットリテラシーだけはしっかりと叩き込もうと決意。。

ネットニュースにしたい記者の方はこの長ったらしく→まとまってない文章、そして入り組んだ内容をしっかり理解して、誤解のないように伝えられる!って方のみでお願いします笑」

 と一連の流れの最後にツイートした。この記事が、入り組んだ内容を解きほぐす意味のあるモノとなっていると幸いだ。

<取材・文/山田星人>

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