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「好きを仕事に」の呪いを解こう。知るべきは情熱の持ち方<鈴木祐×ときど対談>

学び

感動を多くの人にお届けしたい

ときど

――仲間の存在も情熱を保つモチベーションになるのですね。

鈴木:なります。ときどさんは著書の中でご自分のポリシーを「僕が感じているゲームの面白さやポテンシャルを、一人でも多くの人に知ってほしい」と語っています。その背景には仲間への貢献意識があるのかなと。

ときど:自分が仲間思いだと思ったことはありませんけどね(笑)。常に根っこにあるのは「一番強くなりたい」という思い。だけどそうやってゲームに夢中になる中で、同じように真剣にゲームに取り組んでいる人たちがたくさんいるってこと自体に感動したんです。

 僕なりに真剣だったけど、もっと真剣にやっている人はたくさんいた。自分の浅さのせいで勝てなくなった時に気づいた、「深いところまで真剣に取り組めば取り組むほど、良いプレイができるんだ」という感動を多くの人にお届けしたいんです。

「貢献意識」は最強のモチベーション

鈴木:「強くなりたい」の軸と貢献意識の軸と、2本立てなんですね。貢献意識って、実は一番モチベーションが上がるんですよ。事業で大成功した人が多額の募金をしたりすることがありますよね。

 どういう経由でそこに行き着くかは人によって違いますが、ときどさんはすでにそこに到達していて羨ましいですね。多くの人はそこに行き着けずに、とにかくお金を儲けてどうこうしようとばかり考えちゃうんですよ。

ときど:野球やサッカーに人生をかけている人がいるように、格闘ゲームもそれらに引けを取らないくらい良いものだと思っているんです。そういうのを伝えていきたいですね。

 今第一線で活躍している人たちはeスポーツが盛り上がる前、ゲーセン時代からずっとゲームをやってきた人たち。その分、倒錯した思いも抱えているので変な人が多くて面白いんですよ。

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