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年収400万円の人は稼いでも「幸福を感じにくい」ワケ

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年収アップだけを追いかける人生は…

グラフ

 たとえば、もしあなたが百万長者だったとしても、周囲が億万長者ばかりだったら幸福度は上がりません。苦労して高価な腕時計を買ったとしても、友人がより高い腕時計を持っていれば、そこから得られる幸福感は低下します。これは心理学で「ランク所得説」と呼ばれる現象で、8万を超す観察研究で何度も確認されてきました。「他人と自分を比べるな!」とはよく聞くアドバイスですが、どうしても周囲の様子をうかがいたくなるのは人間の本能のようです。

 もちろん、以上の話をもって「給料で仕事を選ぶな!」と主張したいわけではありません。まったく条件の同じ仕事があれば収入が多い職を選ぶべきですし、少なくとも年収800万~900万まではジリジリと幸福度は上がり続けるのだから、そこにリソースを投入して生きるのもまた人生でしょう。

 が、劇作家のバーナード・ショーも言うように、「20代の頃より10倍金持ちになったと言う60代の人間を見つけるのは簡単だが、そのうちの誰もが10倍幸せになったとは言わない」はずです。年収アップだけを追いかける人生は、どうしても費用対効果が低くなってしまいます。

 それならば、数パーセントの幸福度を上げるためにあくせく働くのをやめて、最低限の衣食住を満たしたあとは空き時間を趣味に費やすというのもひとつの生き方でしょう。すべてはあなたの選択次第です。

<TEXT/鈴木祐>

サイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける

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