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「努力を信じすぎるな」ちょっと気がラクになる、偉人の名言3つ

学び

 頑張ってるのに成果があがらない。やらなきゃいけないのは分かるんだけど、やる気が出ない。そんな悩みを抱える若いビジネスパーソンも多いのでは?

 でもあんまり思い詰めて仕事が嫌いになっちゃったら悲しいですよね。押してダメなら引いてみろ。ちょっと気がラクになる偉人の言葉を本の中からいくつかご紹介しましょう。

1.「努力を信じすぎるな」三島由紀夫

三島由紀夫

三島由紀夫(後ろの人物は若き石原慎太郎) Date 1956

 まずは三島由紀夫の『若きサムライのために』から「努力について」の教え。

 一見、マジメに頑張り続けろってお説教だと思っちゃいますよね。でも三島は努力至上主義こそが諸悪の根源だというのです。

 なぜなら、<われわれの社会は、努力にモラルを置いている結果、能力のある人間をわざとのろく走らせることを強いるという、社会独特の拷問>(p.98)に若者をかけているから。

 老人支配の社会にあっては、若いからといって能力を全部発揮させるわけにはいかない。にもかかわらず、小さいころから「努力しろ」と言われ続けた先には<「百メートルを十五秒で駈けぬけなければならぬ」という順応型モラルを身につけることになる。> (p.99)というオチが待っている。

 もちろん自分の仕事を反省するのは大切です。でもちょっとガス抜きして心のバランスを取ってみるのもいいかもしれません。

2.「忙しいのは人が多過ぎるせい」梅崎春生

梅崎春生

梅崎春生 角川書店『昭和文学全集29巻』(1954年1月発行)より

 働き方改革が叫ばれる昨今ですが、これといった特効薬は見つかりそうにありません。どうやら日本の忙しさは昨日、今日始まったことじゃないようなのです。小説家の梅崎春生は、昭和38年当時の様子をこう記しています。

<五千万が一億になり、殖えた五千万人が仕事がなくて暇を持て余しているかと思うと、一億全体がやたらに忙しがっているようだ。(中略)勤勉だと言えば聞えがいいが、すでに荒廃の相を呈していると言う方が正しい。

 つまり忙しいというのは実質的だが、忙しいような気分になっているだけだ。忙しがっている気分に照応する内容は、ほとんど貧寒である>(「閑人妄想」荻原魚雷編『怠惰の美徳』よりp.108)

 ただし、この梅崎先生は筋金入りのなまけ者。だから“忙しすぎる現代社会に喝”なんて力んだりしません。

<以上、あまり忙しがりたくない人間が、ベッドの上に寝そべっての、とりとめもない妄想だと読み流していただければ幸甚である>(p.110)だそうです。

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