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ストロング缶と人工甘味料の組み合わせは、本当に危険?専門医に聞いた

暮らし

 仕事で多忙な毎日を送るサラリーマンにとって、帰宅後の「晩酌タイム」は一日の疲れを癒すことができる至福のひととき。

 特に近年は、さまざまな味を楽しめ、高いアルコール度数で手っ取り早く酔える「ストロング缶」が若い世代を中心に人気を集めている。

アルコール

※画像はイメージです(以下同じ)

 しかし、その一方で、ゼロカロリー食品に使われる人工甘味料が、ストロング缶と組み合わさると、「エタノールの分解に必要な糖分が不足する。なのに、『甘いものを飲んだ』と誤認して普通に肝臓を働かせる。脳と内臓の認識違いでお前の身体はボロボロだ」といった、健康被害を指摘する声も、ネットで起きている。

人工甘味料の同時摂取「エビデンスは不明」

 これらとアルコールとの組み合わせに問題はないのだろうか。また、ストロング缶を飲むときの注意点は何か――。アルコール依存の専門外来がある慈友クリニックの中田千尋院長に聞いた。

「アルコールと人工甘味料を同時に摂取して人体に害を与えるというエビデンスも、症例も私の知るかぎり、耳にしたことありません。今後、研究が進めば、人体にどういった影響があるのか、新たに発見される可能性はゼロではないでしょうが……」

 そう語る。少なくともこの人工甘味料の噂に関しては、かなり真実味に乏しいもののようだ。

 また、人工甘味料と組み合わせずとも、ストロング缶の飲みすぎには気をつけたほうがよい。

1度の晩酌で適量の3日分以上を摂取

ストロング缶

「度数の高いストロング缶には、当然ながらアルコール成分が通常の缶チューハイよりも多く含まれています。厚労省の指標には、成人男性の一日のアルコール摂取量は20グラム程度が適量とされていますが、ストロング缶500mlに含まれるアルコール量はおよそ36グラム。

 仮に晩酌で2本飲めば、約72グラム摂取したことになりますから、厚労省が示す適量の3日分以上の摂取量になってしまうんです。実際、当院にやってくるアルコール依存者の中には、この安価で入手も容易なストロング缶に依存してしまっているケースが非常に多いです」

 ちなみにストロング缶500mlが、テキーラショットの3.75杯分に匹敵するアルコール量。これほどアルコール量の多いお酒を常飲すれば、いくらお酒に強い人でも、身体への悪影響は避けられないだろう。
 
「アルコールの飲みすぎは、肝臓を含むさまざまな臓器障害を引き起こす可能性があります。その中でも怖いのは、急性膵炎。これはアルコールの過剰摂取が主因で起こる病気です。膵臓は消化酵素やインスリンなど、ホルモン分泌の働きを担っている重要な臓器なので、重篤な急性膵炎の場合は命にかかわることもあります」

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