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かんぽ生命の不正問題。販売していた日本郵便社員の嘆き

ビジネス

保険営業を行っていた「日本郵便」社員の声

 つづいて、今回問題となったかんぽ保険の販売を受託していた日本郵便がどのような会社なのかを、年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」に寄せらせた口コミから紹介したい。

 はじめに紹介するのは日本郵便の良い面、悪い面の両方に触れられている口コミだ。

「自爆営業なるものは存在はしていないが、上司から営業するように強く言われたり、営業してこいと言われることがたくさんある。配属局が小さければ小さいほどアットホームでとても良い人間関係が作れるが、大きい局になってくるとそれだけ人間関係もごちゃごちゃしてくる」(その他/20代前半男性正社員/年収200万円/新卒入社 3年未満/投稿時に在職/2019年度に関する口コミ)

 職場の環境は配属先によって大きく左右されそうだ。では、配属の局によってはどのような問題があるのだろうか。次の口コミを見てみたい。

「保険の営業成績が芳しくないときは、局内で保険の相談会イベントを行うため休日出勤をしていた。また、残業は局によって多さがまったく異なる。勤怠管理にタイムカードなどがなく、すべて局長のさじ加減なので、私の局ではサービス残業が横行していた」(カウンターセールス/20代前半女性/正社員/年収230万円/新卒入社3年未満/投稿時に退職済み/2017年度に関する口コミ)

 日本全国に津々浦々に郵便局はあるので、局や地域によって労働環境にも違いが出るのだろう。また、今回問題となった営業ノルマの厳しさも垣間見える。

退職した社員も「営業活動に限界」

 
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 最後に、退職理由について述べられた口コミを紹介する。こちらの口コミからも郵便局の営業活動の実態が見えてくる。

「新卒採用で入社しましたが、会社の方向性や、今後もずっと営業を続けていくことに限界を感じました。窓口採用だったので、基本的に通帳を作るなどの事務作業かと思っていました。

 しかし、郵便局に来たお客様全員に貯金、保険、郵便の声かけをする必要があり、思うように成績があがらないときには、支社からインストラクターが来て、1日中側におり、かなりつめられました。また、お客様に電話をかけたり、必要があればお客様の家を訪問し、かなり営業色が強かったです」(カウンターセールス/20代後半女性/正社員/年収300万円/新卒入社3年未満/投稿時に退職済み/2015年度に関する口コミ)

 日本郵便は7月17日、販売を受託している住友生命保険の医療保険の営業活動についても8月末までの自粛を発表。今後どのように影響が広まっていくのか、動向に注目したい。

<TEXT/菅谷圭祐 データ/キャリコネ(運営:グローバルウェイ)>

大学受験情報誌、IT情報サイトなどでライター経験を積み、2018年よりフリー。最近の趣味は休日の農業、リサイクル業も兼業
Twitter:@sugaya_keisuke

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