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闇営業する若手を救えるか?芸人「就職サポート」運営主に聞く

学び

 芸人の闇営業問題が明るみに出て、世間を大きく揺るがした。だが、反社会勢力から仕事をもらうのは論外としても、「闇」すなわち「直」の営業で食いつなぐ売れない若手芸人だっているはずだ。やめたくても、食うためにやめられずにいる可能性もあるのではないだろうか。

中北朋宏さん

中北朋宏さん

「芸人ネクスト」という芸人向け転職サイトがある。運営するのは、かつて浅井企画に所属する芸人だった中北朋宏さん

 お笑いの道を諦めサラリーマン経験を経て独立、現在は同サイトを介して夢に破れた芸人の就職サポートをしている。今回の問題で路頭に迷う芸人の、救いの場になるのではないかと思い、話を聞いてみた。

事務所を通さない営業がもたらすもの

――「自分には芸人しかない」と自信と確信で突き進んで来て、その夢にやぶれたときの虚無感というのは大きいと思うんです。

中北朋宏さん(以下、中北):だからアルバイトをしながらでも続けてしまうんです。芸人は辞めるとアイデンティティが壊れるんですよ。しかも辞める決心をして、面接で「年間300本舞台に立ってました」って言っても、ビジネスの人は「だから?」ってなる。

中北朋宏さん

芸人にもビジネス感覚の必要性を説く中北さん

――そういう厳しい現状があって、今話題の「闇営業」を引き受けてしまうことも……。

中北:売れている芸人さんの世界は僕にはわかりませんが、売れる前の若手芸人さんの場合だと、かなりの格安な値段でも引き受けてしまう現状が、僕が現役当時もありましたね。

 でもこれはとてももったいない。来た仕事を事務所に渡せば、新たな営業ルートが開くということで、事務所から信頼もされるし、事務所がその仕事をCMしてくれるじゃないですか。でも、自分の手に入るわずかなギャラを選択してしまうんですよね。

――目先のお金を優先し、結果的に自分で自分の評価を小さくしてしまう場合もある。

中北:そうですね。バイトで食いつないでる状態ですからお金もなく、目先のお金欲しさに仕事を受けてしまう。それにより自分も発注者も、若手芸人さんは安いものだという認識になってしまう。そもそもの若手芸人の市場価値が下がってしまうんです。ここに問題があると考えています。

「ウケる」は最強のビジネススキルである。

「ウケる」は最強のビジネススキルである。

社会人よ、笑いを学べ! !

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