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湾岸タワマンで、ひっきりなしに引っ越しが発生する理由

 マンションブロガーの、のらえもんです。湾岸タワーマンションに住んでいます。

 今年はとりわけ頻繁に、引っ越しのトラックが、我がマンションに横付けされているのを見ました。

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※画像はイメージです(以下、同じ)

 入居済みの分譲マンションで、こんなにひっきりなしに引っ越しが発生するところってあるのかなと思ったのですが、不動産仲介店に聞いてみると「多少の差はあれど、どうやら、どの湾岸タワマンも似たようなもの」とのことでした。いったいなぜでしょうか?

湾岸タワマンの住民は本当に入れ替わっているか?

 引っ越しの発生確率は、マンションによって違いますが、湾岸タワマンだと目測で平均4~7%/年。平均すると、12年で約半分の住民が入れ替わる計算です。一般的なファミリー向け分譲マンションの入れ替わり率の定量的なデータは見つかりませんでしたが、2%/年くらいだと聞いたことがあります。

 私の実家である首都圏郊外マンションは、築30年経ちますが、新築時からの入居者割合は約50%くらいと推定されていますから、この2%/年は納得感があります。

 つまり、湾岸タワマンは、普通のファミリー向け分譲マンションと比べて、約2~3.5倍の速さで住民が入れ替わっていくのです。この高速回転の理由はなんでしょうか? 地域愛が薄いから? それとも、湾岸の生活に疲れてしまうから?

入居者の属性、間取りの豊富さ…引っ越し多発の原因

 入居者が一般的な分譲マンションに比べて高速回転するのは、地域愛が薄いからではなく、構造的に引越しが発生しやすいからです。構造的な理由をいくつか紹介します。

・入居者の属性。一般的な社会層として大企業やエリート官僚が多く、かなりの頻度で転勤が発生する

 湾岸タワマンに住んでいると、子どもの友人の親が日本国内どころか海外に転勤、そのまま住宅を売却して去っていく、という姿をたくさん見てきました。湾岸タワマンの値段を考えると、アッパーサラリーマン層が購入するのにちょうど良い値段でありますが、それは大企業務めの宿痾(しゅくあ)としての転勤も多く発生することになります。

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・バリエーションに富んだ間取りがあるマンションが多く、1LDK・2LDKといった間取りは回転が早い

 一般的にファミリー向けの分譲マンションは、標準の3LDKタイプがずらっと並ぶ企画が多いのですが、一般的にタワーマンションは1LDKもあれば、かなり広い4LDKも用意されることが多くなっています。タワー形状なため、ぐるっと東西南北に部屋を配置する必要があるからです(一般的な板状マンションは南向き単方向のみ)。

 このため、北向きの部屋は日照をそれほど重視しない単身者用の1LDK、DINKs(共働きで子供を持たない夫婦)用の2LDKが多く配置されたり、顧客のバリエーションを広げるために、最上階や東南角といった恵まれた場所の部屋には100平米以上の4LDKを配置します。

 1LDKや2LDKは家族構成の変化で住み替え需要が発生しますので、引っ越しが多く発生するのです。

・資産価値が保たれているため、住宅ローンの残債の心配をせずに売却することができる

 住宅を持っていない人には分かりづらい概念なのですが、住み替えをするために家を売却するなら、住宅の売却金額が住宅ローンの残債を上回ってないと売却できません(※注)。

 これが家主こだわりの注文住宅だとすると、査定価格が想定より低くて思うように売却できないなどの想定外もありますが、湾岸タワマンの資産性は今のところ、安定しているので、残債以下での売却の心配をする必要がなく、スムーズな住替えができます。

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注:もしくは、売却した後に銀行に不足分のお金を払わないといけない

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