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26歳・特殊清掃人の「孤独死現場」作業に密着。開かずの風呂、大量の本、アダルト系も

 年間3万人と推計されている孤独死。ひとり暮らしでひっそりと“死”を迎える人たちの実態はいまだ全容を把握しきれないままである。

 しかし、衣食住といった本来、人間が当たり前に行っている生活習慣にすら無関心になる「セルフ・ネグレクト」の問題も取り沙汰される現代においては、けっして他人事ではない。

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防毒マスクとスーツを着用した鈴木さん

 東京都大田区を拠点に特殊清掃・遺品整理を手がけるブルークリーン株式会社の現場責任者・鈴木亮太さん。前回のインタビュー記事では、に特殊清掃人になった経緯を聞いたが、今回は実際の仕事の様子を案内していただき、ある孤独死の現場へ立ち会った。

現場は住宅街にある木造2階建てアパート

 朝早くから激しい雨が降り続いていたこの日。筆者と編集者は、都内某所にある木造2階建てのアパートへ向かった。周辺は閑静な住宅街で、線路を走る電車の音が響いているのみ。

 孤独死を迎え放置された遺体は独特な匂いを放ち、ときには「室外に漏れ出すこともあります」と鈴木さんは解説してくれたが、隣家が密集していながら、気づかないものかと率直な感想をおぼえた。

 現場へ立ち会う直前、鈴木さんから防毒マスクと、衣服を覆うために厚手のレインコートのようなスーツを手渡された。防毒マスクは、顔面にピッタリと密着するような作りになっていて、遺体の放つ匂いをシャットアウトするのはもちろん、感染症を防ぐ役割もある。

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作業時に着用必須の防毒マスク

 実際に着用すると、身体が蒸れるのが分かる。この日はまだ涼しかったが、梅雨の時期から夏にかけては体力もそうとう奪われるのは想像にたやすい。鈴木さんは「匂いが外に漏れ出すのを防ぐため、換気もできません。夏場の作業はとりわけ過酷で、30分に1度の水分補給は必須です」と話してくれた。

独特な“死臭”に包まれた部屋で作業を始める

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玄関から見たかつての住人の部屋

 玄関を開けてすぐ、足元には住人が履いていたと思われる靴が散乱し、室内に入らずとも“荒れている”というのが伝わってきた。鈴木さんによれば、この部屋で亡くなったのは68歳の男性。1Kで風呂・トイレ付きの部屋だが、かつての住人はどのような生活をしていたのだろうかと、自然に思いを巡らせてしまう。

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かつての住人が死亡していた場所。黒いシミは遺体から染み出した体液だと思われる

 鈴木さんのもとへ、大家から相談があったのは現場へ立ち会った約2週間前だった。そこからさかのぼること1か月半前。3か月にわたりかつての住人が滞納していた家賃を大家が回収しにいっても返答がなく、警察へ相談したところ孤独死が発覚。

 鈴木さんは「私たちが遺体を見る機会はほぼありません」と解説してくれたが、残された体液の場所から推定することは可能で、この部屋の場合、玄関を入ってすぐ、キッチンの前だった。

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