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「学校裏サイト」でのイジメを発見した29歳教師がとった意外な行動とは?

コラム

 近年、新たないじめの温床となりつつある学校裏サイト。同級生たちが特定の生徒に対する誹謗中傷などの書き込みを繰り返し、それが原因で不登校に追い込まれたケースもあるようです。

※画像はイメージです

 公立中学校の現役教師である江田良夫さん(仮名・29歳)は、飄々とした見た目に反して中身は熱血キャラ。以前からいじめ対策の一環として自主的に裏サイトのチェックを実施していたとか。

「学校裏サイト」を発見。イジメに気づいて担任に報告

 すると、自身が担任を務めるクラスではなかったですが、同じ学年のほかのクラスのものと思われる裏サイトを発見。実名こそ伏せられていましたが、A君という男子生徒に対する悪口が数多く書かれていたのを見つけたそうです。

「サイト上ではあだ名でしたが、授業を受け持っているクラスでしたから彼のことだと分かりました。授業態度は真面目で成績も優秀でしたが、すごくおとなしい生徒でした」

 裏サイトの件はクラス担任である40代の先輩男性教師にすぐに報告。お礼も言われたそうですが、「あとは私のほうで処理します」とのことだったので、あとは任せることにしたといいます。

 ところが、それから数週間経ったある日の昼休み、A君の教室を通りかかった際に彼が複数のクラスメイトに囲まれて、何やら大声で笑われているのをたまたま目撃します。

イジメを放置していた担任を問い詰めたら逆ギレ!?

教育

「時間にしてほんの数秒の出来事で単なる悪ふざけにも見えました。ですが裏サイトの件もありましたし、イジメだと直感的に思ったんです。ただ、生徒を問いただしてもしらばっくれると思い、『静かにしろ』と注意するのが精一杯でした」

 このときもクラス担任には報告したそうですが、それからしばらくするとA君は学校にまったく来なくなったそうです。

 江田さんがそれとなく担任に尋ねると、「来年は受験だというのに困ったものです」と一言。相手は教師歴20年以上のベテランでしたが、あまりに無責任な対応に納得できず、詳しい説明を求めたといいます。

「そうしたら『ウチのクラスの問題に足を突っ込むな!』と逆ギレされたんです。私の態度にも問題があったかもしれませんが、不登校になるまでイジメを放置するなんて許せません。ただ、ほかの先生方に相談しても『仕方ないよ』って冷めた反応が多く、それが学校教育の現実なんだなってどうすることもできませんでした……」

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