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「お噂はかねがね伺っています」を英語で表現すると?

コラム

 文化的に日本語の文化と、英語の文化で少し違いがあるとすれば、I’ve heard a lot about you.の後にどう会話を続けるかかもしれません。

「お噂はかねがね伺っています」の後に、日本語ではその「伺っている噂」について詳しく話すことは少ないのではないでしょうか?

 英語では、その話の内容について、会話が続くことが多いです。ですから、うろ覚えの情報でI’ve heard a lot about you.と言ってしまうと、その後に困ることにもなります。

国際人としての価値を高めるために

挨拶

 礼儀として、I’ve heard a lot about you.の後に、相手の話をすることが求められています。

 ここできちんと相手の話をすることができるのは、国際人としての価値を高めることにもなります。I hear that you have….などのように、相手のことに言及してみましょう。

 どちらかと言えば集団主義より個人主義の傾向が強い英語圏の文化において、話し相手個人の功績や実績について話をすることが、相手を個人として尊重していることの証拠と捉えられます。

 つまり、話し相手が集団の一人としてではなく、個人として何をしてきたかをきちんと把握することが大切です。

 新しい人に会ったとき、「○○という会社(部署)のXXさん」という風に名刺を見て覚えがちな日本のビジネス文化ですが、「○○をしているXXさん」の様に個人が何をしているかを大切な要素として相手のことを記憶に留めるようにするとよいでしょう。

<TEXT/木内裕也>

会議通訳者、ミシガン州立大学研究者。アメリカ大衆文化、アメリカ史の研究を行うほか、国際一流企業、各種国際会議などの通訳を行う。またプロサッカーの審判員としても活躍。著書には『同時通訳者が教える 英語雑談全技術』『耳と口が英語モードになる同時通訳者のシャドーイング』(ともにKADOKAWA)など多数。英語で仕事をする人の応援サイト「ハイキャリア」にも執筆

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