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「40年後なくなる職業」を専門家に聞いてみた。レジ打ち、外食店員、弁護士は?

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25年後に消える職業は?

老後の仕事を今から考える

 現在高齢者が担っている仕事はさまざまだ。そのなかで約25年後に消えている高齢者向けの職業は何か。「現在多くの高齢者が働く、コンビニやスーパー、外食チェーンのレジなど、カスタマイズの必要性が低い労働はどんどんAIに代替されていくでしょう」とは、前出の松本氏。

 一方、大企業の競争戦略立案を専門とする百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏はこう語る。

「調理スタッフやホールスタッフのような仕事は例外も多い仕事なので、AIで代替するのは実は難しいのですが、今後は日本全体で外国人労働者の人数が大幅に増えることが予想されます。

 若くて安価な労働力である外国人を雇うほうがいいので、より安価な給料で働かない限り日本人高齢者の出る幕はありません。『わが社は高齢者雇用に積極的です』という企業イメージをアピールしたい企業なら働くチャンスはあるかもしれませんが……」

 さらに現在、高齢者の雇用を促進しているコールセンターの対応業務も今後は消えていく運命にあるという。

「現在でも、宅配便の再配達など単純な対応業務はすでに自動化されていますが、高齢者が担っている対応業務も多くあります。言葉の壁もあるので外国人よりは高齢者のほうが優位性があると考えられますが、限定された対応内容であれば多少複雑でも今後はAIに代替されていくのは必至です。カスタマイズの必要性が低い、計算可能な業務内容は、いくら細かくて煩雑だとしてもAIが担ったほうが効率がいいのです」(鈴木氏)

エリート士業といえども消えていく運命にある!?

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<需要が大幅に減る主な職業>
1.スーパー・コンビニのレジ
2.外食チェーン店員
3.駐車場管理
4.コールセンター業務
5.弁護士などの士業
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 年齢に関係なく資格さえあれば働き続けられる士業は、高齢者も多く働いている。現時点では勝ち組高齢者の仕事のひとつに見えるが、今後は淘汰が進むと分析するのは、投資銀行家として活躍するぐっちー氏。

「例えばエリート職業の代名詞ともいえる弁護士ですが、『法律』という動かぬルールに則った仕事内容は、実は多くの部分がAIによって代替可能です。

 裁判所で弁護を担当する仕事は人間でなければできませんが、弁護士の仕事のなかで、裁判業務は実はほんの一部。企業法務や、契約資料の作成などの大半がAIに代替されるので、一人あたりが担当できる実件数が増えて弁護士があまる。AIを活用しながら多くの案件をこなすリテラシーがない高齢の弁護士は、真っ先に淘汰されるでしょうね」

 単純労働はもちろんのこと、実績と経験が重視され、高齢者ならではの優位性があるように見える資格職ですら、今後は淘汰される危険性があるのだ。

― 老後の仕事を今から考える ―

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