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仏教界の革命児が語る、遺族に寄り添う「オーダーメイド葬儀」とは

 長野県松本市の温泉街の一角にある神宮寺の19代目の住職だった高橋卓志さん。「仏教界の革命児」とも呼ばれる高橋さんは、温かみのあるオリジナルの葬儀を行うことで、残された家族が納得しながら故人を見送ることができると言います。

お葬式

※画像はイメージです(以下同じ)

「あまねく人々に降りかかる苦しみを癒すことが僧侶の使命」だと語る高橋さんの仕事ぶりが12月17日放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)で紹介されました。

故人や遺族の意思を反映したオーダーメイド葬儀

 故人の人生を物語るような葬儀をしてきた高橋さん。大切な人を喪ったという喪失感を癒やし、「痛みきっている残された人たちをどのようにしてケアをしていくか」が葬儀では大事だと番組の中で語ります。

 高橋さんは、葬儀を執り行う前に家族から故人がどのような人生を歩んできたかを聞き取ることから始めます。

 その聞き取りは葬儀を作り上げるためだけでなく、残された家族の悔いやわだかまりを軽減させるために、聞き取りをしているとのこと。話していく中で泣き出してしまうことも少なくないようです。

 そうして聞き出した話から、オーダーメイドの葬儀を作り上げていきます。ピアノ教室の先生をしていた方の葬儀では娘にエレクトーンを弾いてもらいその演奏を故人に捧げたり、図書館司書をしていた方の葬儀では家族のために遺した蔵書の前で葬儀をしたりするなど、故人の人生を反映したオリジナルの葬儀を手作りします。

 日々を生きる中で必ず起こる「四苦(生苦、労苦、病苦、死苦)」から人々を「抜苦(ばっく。苦しみを抜くこと)」し緩和させ、癒すことが僧侶の使命だと番組の中で語りました。

想像を絶する苦しみに直面。己の使命を見つけた

 高橋さんは、大学受験で第一志望の学校に合格できず、親の強い勧めで仏教系の大学に通い、家業を継ぎました。当初は、親への反発心もあって、やる気が出なかったこともあるそうです。

 そんな彼に転機が訪れたのは、ニューギニアのビアク島での遺骨収集団に参加した29歳の時のことです。先の大戦で激しい戦闘になり、1万人以上の日本人がこの地で亡くなっています。

 供養のためにお経を読んでいた時に、この地で夫を亡くした女性が悲しみのあまり、地面に座り込んで手足をばたつかせながら泣き叫び始めました。あまりの泣き声に高橋さんは絶句してしまい、お経を止めてしまいました。

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