映画『SLAM DUNK』が社会現象に!“必見ポイント”をバスケ解説者に聞く
2022年12月3日に公開され、6週連続で映画ランキングの1位(興行通信社調べ)を獲得したのが映画『THE FIRST SLAM DUNK』だ。多くの映画評論家や、原作ファンがその感想や批評を発信しているが、バスケットボールの解説者視点ではどう見えるのか。
2022年に著書『NBAバスケ超分析 語りたくなる50の新常識』を上梓し、自身もバスケ選手として活躍し、現在はNBAやB.LEAGUEの解説を務める佐々木クリス氏(@chrisnewtokyo)に聞いた。
アニメ版は親しみがなかったが…
──映画『THE FIRST SLAM DUNK』、率直に、どうでしたか?
佐々木クリス(以下、クリス):何度も見たくなるほどの内容で、本当に感動しました。
──もともと、原作漫画はお好きでしたか?
クリス:冬はNBAを見て、オフシーズンになったら『SLAM DUNK』と(同じ井上雄彦作の)『バガボンド』を読み返すのが、毎年の儀式です(笑)。
──テレビアニメ版は観ていましたか?
クリス:漫画にあったスピード感やリアルさが失われていたので、あまり親しみがありませんでした。
揚げ足をとることすらできない完成度
──その点、今回の映画ではどうでした?
クリス:とてもリアルでしたね。ユニフォームの浮き方などは、バスケ経験者でなくても、実際の試合を見たことがある方なら伝わると思います。
──バスケ経験者、そして解説者としての視点ではどうですか?
クリス:例えば宮城がドリブルでディフェンスを抜き去るシーンでは、関節の角度や筋肉の動きまでリアルに描かれていました。少しでもおかしければ違和感を持つと思うんですが、一切ありませんでした。プレーの描写については、バスケットボールの解説者目線から見ても、揚げ足をとることすらできないほどの完成度だったと思います。