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五輪延期の選手村マンション「晴海フラッグ」 “価値ナシ説”に反論

暮らし

今年夏に東京2020オリンピックが開かれるのか? もし開かれなかったら晴海フラッグはどうなる?」と、とあるメディア所属記者の方が私宛に取材してきました。

晴海フラッグ

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村

 晴海フラッグは、五輪開催時に選手村として利用した後に、改装を経て2023年に入居が開始される予定でした。それが今回の大会延期で、引き渡しも1年先送りになっています。それにより、第1期分譲の契約者は契約解除が可能になりましたが、一部の契約者が民事調停をおこす事態に。なお、第2期以降の分譲は未定で、販売を中止している状況です。

 この取材に私が「この夏、五輪が開かれるかそもそも私にはよくわかりません。でもですね…」と、現在の東京エリア分譲マンションマーケットを説明すると、至極つまらなさそうな返信がきました。たぶん記事にはならなかったのでしょう。もう少し別の意見が聞きたかったのでしょうね。

「晴海フラッグ」否定派は多い

 私個人の想いとしては、五輪はなんとしてでも今年夏に開くべきと考えていますが、そうでないと思う人もいるでしょうし、今回の記事はそちらが主題ではないので、あまり触れないようにしておきます(と、本原稿を書いていたら、海外からの観戦客の受け入れを断念したというニュースが入ってきました、関係者の無念は計り知れないものがあります)。

 五輪の選手村が徹底的な内装のやり直し工事の後に「晴海フラッグ」という名の分譲マンションになることは、知っていた方が多いと思います。しかし、このマンションについては賛否両論が多くあります。

 いや、多くの週刊誌や週刊誌系webメディアでは否定が色濃く出た記事ばかりと言えます。例えば「オリンピックレガシーのなくなった選手村『晴海フラッグ』は、値下げしてどんどん売りさばくしかない」(文春オンライン/牧野知弘氏・著)”という記事では、

オリンピックレガシーとしての価値はなくなり、勝どきの駅からめちゃくちゃ遠い海辺のマンションという、あまり冴えない物件となってしまいそうだ。(中略)残り3000戸以上の住戸を売らなければならないデベロッパー側も、まことにご苦労様というしかない」

 という記述がみられます。

晴海フラッグ周辺は“争奪戦”だ

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晴海エリアのタワマン群

 たしかに、本物件の最大の弱点、「最寄り駅から遠い」は五輪があろうとなかろうと解消しません。しかし、この1点をもって今後も価値がない、冴えない物件といってよいのでしょうか?

 私から言えば「何を言ってるんだろう? 書いている方は本当に今の東京のマンションマーケットが見えているのかな?」と感じます。今、東京の湾岸エリアのマンションマーケットで起きているのは、争奪戦です

 例えば、本物件の最寄り駅となる勝どき駅に直結する「パークタワー勝どきミッド」というタワーマンションは、発表当初モデルルームの予約すら困難で、あまりの売れ行きに、途中から大幅値上げをして販売されています。しかし、それでも人気の高さは変わりません。隣接する豊洲エリアの「ブランズタワー豊洲」も、近隣相場の上昇を受けて、途中から値上げをしました。

 中古物件に目を移しても、東京湾岸エリアのタワーマンションは、買いたいという客が殺到して、売却物件自体が枯渇しているという事態すら起こっています。実際、1回目の緊急事態宣言終了時と現時点を比べると成約価格は10%以上、上昇しています(※東京東湾岸エリアの中古タワーマンション3か月平均坪単価は2020/3-5月期坪300万円→2020/12-2021/2月期坪335万円)。

 エリアの仲介マンにヒアリングしても、「とにかく売り物件がない、売り物件さえあればご紹介したい顧客はかなりいるのに」と嘆いていました。このように、晴海フラッグの周辺では、新築・中古マンションとも需要が大きく過熱し、価格も上昇しているのが事実なのです。

※参考:「まだ物件価格上昇中!?湾岸エリア2021年2月迄の最新状況アップデート!」(スムログ)

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