「バカな上司は見下しておけばいい」ひろゆきが語る、新人社員の処世術
「2ちゃんねる」の創設後、「ニコニコ動画」を開始、そして現在は英語圏の画像掲示板群「4chan」の管理人を務める、“ひろゆき”こと西村博之氏。
日本のネット史を語る上で欠かせない彼が、先日上梓したのが『自分は自分、バカはバカ。 他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(SBクリエイティブ)だ。
いまやビジネス本で数多くのベストセラーを生み出す、彼が考えるサラリーマンの理想的な働き方とは? 今回、日本に一時帰国中のひろゆき氏に、元号が平成から令和になったまさにその日にインタビューを実施した。前編、中編のインタビューに引き続き、後編では若手ビジネスマン向けに、キャリアや起業に関する話を伺う。
「日本はコスパがよい国」発言の真意
――前編のインタビューで「日本はコスパがよい国」とおっしゃいましたが、ひろゆきさんも指摘されたとおり、人件費を抑えることで実現している面があります。
ひろゆき:働く側からすると、いくら働いても給料上がらず、気がついたら年をとってましたとなるので、あまりよろしくないと思いますね。たとえば「コンビニバイトを20年続けて20歳から40歳になりました」という人がいたとして、その人の能力値って20年でほとんど変わってないんですよね。むしろ体力とかは低下している。
これが、手に職がついたりコネクションが増えたりする仕事だと、40歳になってやれることが増えたり、知り合いが出世するから、仕事が広がることがあると思うんですけど。そこが比例しない仕事が、今の日本にはけっこうあるので「どうなのかな」とは思います。
――良い職につきたいと思っても、新卒採用で上手くいかないとそのままずっとバイトを転々とするケースもあります。
ひろゆき:他の国だと、就職しないで起業した若い人が成功して、結構な額を稼いでたりするんですけど、日本で若い人が立ち上げて、大きくなった会社って、最近あまり聞かないですよね。僕ら40代世代だと、2000年のITバブルの頃、堀江(貴文)さんとか、ミクシィの笠原(健治)さんとかがいました。
今は個人単位でフリーランスで成功している話はあるけど、雇用をたくさん作るレベルの成功例となるとあまりないように思えます。「30代エンジニア年収1500万円」とか“雇われる側”での成功例はけっこう聞くけど、あくまで個人単位ですよね。
日本でベンチャー企業が育たないわけ
――資金調達が容易になったり、起業環境は改善してると思うのですが、なぜスケールしないのでしょうか?
ひろゆき:ITバブルの頃って、IT企業がほかになかったので、若者がやっている胡散(うさん)臭い会社にも仕事を発注せざるを得なかった。今は、大きなIT企業もいっぱいあるので、わざわざ胡散臭い会社に発注する必要性がなくなった。
日本人って「若者や胡散臭い人を好きじゃない」という感情が根底にあると思うんです。物事の決定権を持ってる人がオジサンで「キャッシュレス決済はよくわからん!」となる。若い人が商品作ってもダメで、老人がわかるように昔ながらのメーカーがやったほうが上手くいく。この構図、昔から思ってたんですけど今も変わってないですね。