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【話題の社長が実践する人生の処世術】400億円の負債を乗り越えて米ナスダック上場

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ディカプリオに言われた“ひとこと”が野望を抱くきっかけに

加えて、杉本氏はサイバーエージェント社長の藤田氏にも助けられたことに言及する。

「当時、藤田さんにガラケーで出資についての思いの丈を長文で打って送ったんですよ。そしたら、『なんだかよくわからないけど、出資するから口座教えて』と返ってきて。実は今回で2度目の出資になるんですが、『杉本君の復活に賭けるのは悪い確率じゃないよね』と言われた事を思い出します。独特の藤田イズムというか、本当にすごいなと思ったし、感謝するしかありませんでした」

米国株式市場ナスダックへの新規上場を果たし、グローバル戦略を発表したイベント時の写真

米国株式市場ナスダックへの新規上場を果たし、グローバル戦略を発表したイベント時の写真

また、今年3月末に米国ナスダック市場へ上場を果たしたのは、杉本氏が投資をした後輩起業家達が、次々と上場して大きな会社を作っているのに感化されているそうだ。

「以前、ZOZO創業者の前澤さんと経営者仲間でモナコのF1レースを見に行ったんです。その後、クルーザーをチャーターして地中海に出たんですが、前澤さんのつてでレオナルド・ディカプリオのクルーザーと合流して、まさかのスーパースターと居合わせることになって。

その時に前澤さんが『一度会社を潰して、再び復活した著名なアントレプレナーだ』とディカプリオに私のことを紹介すると、“ミニトランプ”とディカプリオが呼んでくれて。実はこの出来事が、もう一度、大きな会社を作ろうと思った原体験になっているんですよ。

『僕はまだミニトランプなんて呼んでもらえるような立場に無い』だから、もっと頑張ろうと、素直に悔しいと思えたんです。あの時から、もう一度上場を目指そうと本気で思うようになりましたし、そういう意味ではグローバルな市場も見るようになりました」

海外における不動産投資の現況は、日本が円安ゆえにグローバルインベスターは日本の不動産に興味を示しているという。

特に日本はここ30年間で、バブル崩壊からリーマンショック、コロナショックなど、特殊な環境下に晒されてきたことから金融緩和せざるを得ない状況になっている。

それでも、海外の坪単価と比べたら安いため、グローバルの視点では「日本の不動産は買っておくべき」という所感だそうだ。

応援型不動産クラウドファンディングのプラットフォーム「利回りくん」のキービジュアル

応援型不動産クラウドファンディングのプラットフォーム「利回りくん」のキービジュアル

今後、杉本氏は「軸足は日本に置きつつも、黎明期の不動産クラウドファンデングの市場で世界No.1を目指したい」と意気込む。

シーラテクノロジーズが運営する「利回りくん」は不動産の投資資金を小口化し、1口1万円から投資できるサービスで急成長しており、さらにグロースさせるために事業投資していくという。

波乱万丈の人生を歩んできた杉本氏の挑戦が続く。

<取材・文・撮影/古田島大介>

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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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