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【サウナ師匠インタビュー】2023年のサウナトレンドは「2極化」。水資源の豊富な日本が世界から注目されるワケ

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サウナ師匠・プロサウナーとして活動する秋山大輔さん

サウナ師匠・プロサウナーとして活動する秋山大輔さん


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世は空前のサウナブームと言われて久しく、多くのサウナーが“ととのう”体験に心酔している。

この上ない爽快感と陶酔感、そして至福のひとときを味わえるのがサウナの特徴で、その魅力に取りつかれる人は数知れないほどだ。

こうしたなか、近年における日本のサウナブームを牽引し、いち早くサウナの素晴らしさや可能性を発信してきたのが、“サウナ師匠”こと秋山大輔さんである。

プロサウナーとして、これまで国内外の多種多様なサウナをめぐってきたほか、サウナフェスのプロデュースやサウナ専門ブランド「TTNE」を立ち上げるなど、サウナシーンの中心で活躍している。

そんな秋山さんに、サウナに目覚めたきっかけや2023年のサウナトレンドを伺った。

仕事の重圧で心身のバランスを崩したのが、サウナの魅力に気づくきっかけに

学生時代から海外志向が強かった秋山さんは大学生の頃、高校の同窓会を仕切ったのが、イベントプロデュースに興味を持つきっかけとなった。

「映像の制作からキャスティング、会場の手配、そして集客と、イベントをひとつやるだけでこんな大変なんだと思いながら、同窓会を企画したんですが、最終的には300人くらい集まって。終わった後に『イベント楽しかったよ。ありがとう!』と声かけてもらったことがすごく嬉しかったんです。この幹事をやった経験がイベント制作に興味を持つ契機となり、新卒ではイベントプロデュースの事業を手がける大手イベント制作会社に入社しました」

社内外でセルフプロモーションを行ったことで、ファッション系のクライアントからイベント制作の相談を多く受けるようになった秋山さん。

ハイブランドから化粧品ブランドまで、さまざまなイベントやパーティーのプロデュースを手がけ、数千万規模の案件を多数う掛け持つほど多忙を極めたときもあったそうだ。

だが、複数の案件を同時並行で進めなければならない責任と、クライアントに求められる期待や成果が重圧となってしまい、自律神経のバランスを崩した時期も経験した。

「精神的にも肉体的にも不調を味わい、2ヶ月の静養を余儀なくされた辛い時期がありました。そんななかで、心身の疲れを癒し、メンテナンスするために東京の『豊島園 庭の湯』に通っていたんですが、そこのサウナ部屋がかなり良くて。極上の体験というか、こんなにも快適で心も身体もリラックスできるところがあるんだなと。これが自分にとって、サウナの魅力に気づいた瞬間でした」

ガールズマーケットと富裕層ビジネスの経験が活きている

その後、仕事に復帰した秋山さんはプロデューサーとして数々の成果を上げていく。

なかでも、国内最大級のファッションの祭典「東京ガールズコレクション」(TGC)や野外音楽フェス「ULTRA JAPAN」(ウルトラジャパン)のイベントプロデュースに関わったことが、今の仕事にも活きているとのこと。

サウナ師匠・秋山大輔さん

「TGCでは“日本のガールズカルチャーを世界へ”を掲げ、ファッションショーの企画をプロデュースしていたんですが、ハイファッションのそれとは全く真逆のことをやっていたのが学びになりましたね。誰でも入れないファッションショーを、チケットを買えば誰でも入れるようにし、フロントロー(ショーの最前列)には列の最初に並んだお客さんが座れる。これはとても画期的で面白いなと思いました」

ウルトラジャパンでは富裕層向けのVVIPエリアを担当し、VIPの誘致や提供メニューの選定、プライシングなどを手がけていたという。

「世界レベルのDJが集まるダンスミュージックの祭典に、イベント制作側として携われたのは大きな経験でした。フロンティア時代のハイブランド、TGCで経験したガールズマーケット、そしてウルトラジャパンの富裕層市場という、それぞれ異なるジャンルのイベントプロデュースをしてきた知見やノウハウが、今の活動にも大いに役立っていますね」

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