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「ボトル缶」の販売が大きなヒットに。タリーズコーヒーが“根強く愛される”理由

ビジネス

 国内コーヒー業界の首位を独走するスターバックスは、売上・店舗数ともにトップを誇り、市場を席巻している。一方、同じシアトル系コーヒーチェーンの一角を担うのが「タリーズコーヒー」である

タリーズコーヒー

タリーズコーヒージャパン株式会社 マーケティング本部 グループ長の工藤和幸氏

 国内の店舗数で比較すると、タリーズコーヒーはスターバックスの半分にも及ばない。それでも「スタバ派か、タリーズ派か」と言わしめるほど、その存在感は確かなものだ。昨年日本上陸から25周年を迎え、直近でも業績好調を維持している。

 競争激しいコーヒー業界においても、根強いファンに愛され続けている理由について、タリーズコーヒージャパン株式会社 マーケティング本部 グループ長の工藤和幸氏に話を聞いた。

コーヒーの第二の潮流が好都合だった

 シアトル系コーヒーの火付け役として知られるスターバックスは1996年に銀座に1号店をオープン。これに追随するかのように、タリーズコーヒーも翌年の1997年に銀座へ日本初上陸を果たす。

 エスプレッソをベースにした「カフェラテ」や「カフェモカ」といった新しいコーヒードリンクが人気を集め、いわばシアトルスタイルのカフェ文化が馴染んでいく頃だった

 こうしたコーヒーのセカンドウェーブ(第二の潮流)が日本に到来し、タイミングよく事業をスタートできたのが、タリーズコーヒーにとっても好都合だった。

日本上陸当初は一部で知られていた

タリーズコーヒー

1997年、銀座にオープンしたタリーズコーヒー1号店

「そうは言っても、当時はベンチャー企業でしたので、出店できる場所も限られていました。メインの通り沿いではない二番通りや裏通りを中心に店舗を構え、主にビジネス街を中心とした商圏で地道に事業を展開してきたのです。ビジネス街であれば、お店とお客様が確実に接点を持てる立地なので、当時はビジネスマンの間でタリーズコーヒーの名が知られていました」

 転機になったのは2006年、飲料大手である伊藤園のグループ傘下に入ったときだった。大手資本のもとでファイナンスに余裕でき、出店を加速。15年で店舗数を2倍に伸ばすことに成功したのだ。

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