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「ボトル缶」の販売が大きなヒットに。タリーズコーヒーが“根強く愛される”理由

ビジネス

「ボトル缶」の販売が大きなヒットに

 さらに、伊藤園が長年培ってきたブランド力も追い風となり、コンビニや自動販売機でタリーズコーヒーの「ボトル缶」を販売し、大きなヒットを生み出した。

実は伊藤園に入る前からもコンビニでRTDなどを販売していましたが、どうしても棚落ちしてしまい、定常的な供給ができない状況でした。それが伊藤園の傘下になってからは、どこのコンビニへ行っても、ボトル缶を手に取れるような販売網を確立でき、タリーズコーヒーのロゴの認知やブランドの知名度向上に大きく寄与しました」

 工藤氏は2003年にタリーズコーヒーへ入社しており、伊藤園の買収は「働いている身からすると、当初はびっくりする出来事だった」と振り返る。

伊藤園のグループ入りは「驚きました」

タリーズコーヒー

2013年には自社焙煎工場「タリーズコーヒー ロースティングファクトリー」をオープンさせる

最初、『タリーズコーヒーが伊藤園のグループ入りする』と聞いたときは驚きました。アメリカ発の外資系企業が日本の老舗飲料メーカーに買収されたわけですから。でも、お互い事業を推進するために、人材交流を深めていくと『本質的に目指している方向性は一緒だ』と思うようになったんです。

 タリーズコーヒーは『高品質で美味しいスペシャルティコーヒーをお客様へ提供する』ということにこだわっていますが、伊藤園も『お~い お茶』に代表されるように『日本のお茶をもっと身近に感じてほしい』という想いを持っている。このような商品に対する“熱量”が同じであり、親和性をすごく感じました」

 また、FC(フランチャイズ)展開に必要な均一性やサービス品質の安定化を図る上で、伊藤園のメーカーとしてのスタンスが大いに参考となったそうだ。

「ペットボトルや缶の商品はいつ、どこで飲んでも変わらない味を作らなければならなりません。同様に、FCビジネスには、どんな立地や条件であってもタリーズコーヒーのブランドを体現する店舗体制やオペレーションの構築が求められます」

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