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「日本の100円ショップ」がオランダにも!“不毛の地”ヨーロッパにもブームは来るのか

暮らし

売れ筋商品の3本柱

 では実際、どのような100均商品が売れているのだろうか。西田さんによると、「日本文化関係」「オランダの店で買うよりも安くて高品質なもの」「オランダに売っていない商品」が「売れ筋3本柱」だという。

 1つ目の「日本文化関係」は、日本食、書道、折紙。寿司は近年人気が高く、自宅で作る人も増え、巻きすやしゃり型、箸、和食器がよく売れている。

 折紙は趣味としての愛好家はもちろん、可愛い絵柄のペーパーアイテムとして、幅広い世代が手に取る。また匂い付き練り消しなどのおもしろ文具や、「カワイイ系」のシールやメモ帳などの雑貨も、日本文化を象徴するアイテムだ。

ピカピカ

簡単に寿司が作れる「型」は、にぎりから巻きまで多くの種類が並ぶ

 2つ目の「オランダの店で買うよりも安くて高品質」は、さまざまある中でも、特にスマホアクセサリー類とおもちゃの人気が高い。画面保護用ガラスフィルムは、他のお店では倍以上の値段がする。またこちらで売っている安いおもちゃはすぐ壊れてしまいがちだが、「この値段なのに、こんなにステキで作りも丈夫!」とお得感を感じる客が多い。子ども向けのちょっとしたプレゼントに喜ばれている。

口コミで売れ行き好調になる商品も

 そして「オランダにない商品」では、ダントツで化粧水だ。なぜかこちらのドラッグストアでは、クリームは種類豊富にあるのだが、保湿化粧水というものがない。二重まぶたを作るメイクアイテムも同様で、そもそも欧米人は多くが二重ということもあり、そういう商品自体がない。これは特にアジア系の来店者がよく買っていく。

「一度品切れになってしまった時に〈これがないと会社に行けないの!〉という切実に訴えてくるお客様もいました」と、西田さんは話す。

 その他、便座シート、5本指靴下、下着用洗濯ネット、小型ピンチハンガーなども、ここでしか買えない人気商品である。便座シートは現地の人からすると、最初は「何これ? 必要あるの?」という商品なのだが、一度使ってみるとその良さを実感するそうだ。気に入って再度買いに来るリピーターや、友達に勧めるという口コミ効果もあり、売れ行きが伸びていった。

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