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「収入は会社員時代の10倍超に」お金に愛される人に共通する“思考法”とは

学び

心に余裕があると行動にも余裕が生まれる

 住んでみてわかったのは、街全体の大らかさです。道路を車でゆっくり走っても、クラクションを鳴らされることはありません。スーパーのレジで急かす人もいない。娘が幼い頃、ベビーカーに乗せて街を歩いていると、たくさんの人が道を譲ってくれたり、あやしてくれたりしました。少し大きくなって歩きはじめるようになってからも、子どもにはとても優しい人が多かった。何かと気遣いをもらえました。

 必ずしも裕福であることと相関しているわけではないとは思いますが、高級住宅街に住んでいる人たちは、心に余裕があるのだと思いました。だから、行動にも余裕がある。そんな人に、残念なことはほとんど起きないのです。

 それこそイライラしている人は少ないし、声を荒らげるような人もいない。そして、皆さんとても幸せそうにされている。そういうオーラが街全体に流れているのです。これは、実際に暮らしてみたから、わかったことでした。

玄関に出された古新聞への心遣い

マインド・リセット

上阪徹『マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣』(三笠書房)

 忘れられない象徴的なシーンがあります。週末ランニングをしていた土曜のこと。古新聞の回収があり、それぞれの家が玄関の外に古新聞の束を出していたのですが、その日は雨が降りそうな天気でした。

 そのことに気づいたのだと思います。古新聞が雨に濡れないよう、上からビニールでカバーがされていたのです。しかも、1軒や2軒ではありません。多くの家がそうしていました。どうせ回収される古新聞です。雨に濡れようが水で破れようが、回収さえしてくれればそれでいい、と考える人もいます。

 しかし、ここに住む人たちはそうは考えない。水を含めば、紙は重くなります。回収する人が大変だ、と気づいたのだと思うのです。こういう気遣いを多くの人がごく自然にできるのはとても素敵だな、と思いました。そしてこういう人たちだから、手に入れているものがある。そう思ったのでした

【POINT!】
経済的な裕福を求める前に、心が裕福であることを目指す

<TEXT/上阪徹(ブックライター)>

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。85年、兵庫県立豊岡高校卒。89年、早稲田大学商学部卒。アパレルメーカーのワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスに。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。著書に『マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣』(三笠書房)ほか多数

マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣

マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣

各界トップランナーに20年取材してきた著者だけが知る。一流の結果を出す人の≪仕事・人間関係・時間術!≫ 

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