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若手が不満を持つ横柄な管理職の特徴。「外に出さないで」と言われる原因はどこに

学び

相手が横柄でも、悪気がないケースも

 前述したように、下請けに対する横柄な態度の中にも、殿様商売気質が染みついているだけで、実は悪気のないケースがあります。お互いの立場や状況を知れば、正しいやり方、正しい言い方に気づく可能性があります。

「クライアント→元請け→下請け」の上下関係ではなく、お互いにエンパワーメントできる関係を築ければ、その先にファンの輪が広がり、さまざまなコラボレーションの可能性が広がっていきます。それはすなわち、あなたの仕事やキャリアの可能性でもあります

上場企業の上級管理職でも転職に苦労

面接

 最近、横柄な管理職やベテラン社員に対して、「恥ずかしいから、あの人を外に出さないでほしい」と若手が不満を口にするのも、私は耳にします。「あんな人が上層部にいると思われると、自分の会社が情けない」のだそうです。当然、会社や職場へのエンゲージメント(=愛着)は失われ、生産性の低下や離職に繫がっていきます。

 そして、そのような悪評が広まれば、会社の看板を外した途端、周りに誰もいなくなります。セカンドキャリアを模索しても、どこも引き取り手がない。自己評価とプライドの高さも相まって、上場企業の上級管理職といえども、転職に苦労するケースは珍しくありません

 人生100年時代と言われる今、「殿様商売気質」「下請け思考」からの卒業は、仕事やキャリアを続ける上で、欠かせないものとなるでしょう。

【「下請け思考」からの卒業】
「殿様商売」と「下請け思考」はどちらも危険。自分の状況を発信して、ブランド価値を保つ。

<TEXT/沢渡あまね(ワークスタイル&組織開発専門家)>

1975年生まれ。作家/ワークスタイル&組織開発専門家。あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/浜松ワークスタイルLab所長/国内大手企業人事部門顧問ほか。『組織変革Lab』主宰、DX白書2023有識者委員など。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。著書に累計25万部の『問題地図』シリーズ(『職場の問題地図』『仕事の問題地図』『働き方の問題地図』など、いずれも技術評論社)をはじめ、『新時代を生き抜く越境思考』(同社)、『職場の科学』(文藝春秋)、『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)など多数

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