若手が不満を持つ横柄な管理職の特徴。「外に出さないで」と言われる原因はどこに
「下請け思考」が組織にとってリスクなワケ
私がある鉄道会社が主催する会議に参加した時のことです。そこには、鉄道会社の発注先、つまり下請け的な関連企業の人々が多数参加していました。登壇したのは、その鉄道会社の中でも有能と知られる若手のエース。次々に新しい取り組みにチャレンジし、業界内外問わず、評判の高い人です。
その時、私にとって深く印象に残ったのは、会議の内容はもちろん、彼が参加者に接する際の非常に丁寧な対応や物腰でした。私は思わず、彼に「どうしてそんなに丁寧なのか?」と聞きました。すると彼は、当たり前のように言いました。
「この会議室を一歩出れば、みなさん、お客様ですから」
「お客様は神様」ならば、下請け企業で働く社員も、職場の非正規スタッフも、会社を出れば「お客様」です。理不尽な要求をしたり、横柄な態度を取っていれば、いずれ悪評が広まっていきます。それは企業や個人のブランドを大きく損ないます。
今は「コラボレーションの時代」に
特に今の時代、ブランドマネジメントは極めて重要です。SNSの普及によって、悪評が広まるスピードと範囲は、一昔前とは比較になりません。では、ブランドイメージが損なわれると何が問題なのか? ひとつの職場で決まった取引先と仕事をしていると、ブランドと言われても、ピンとこないかもしれません。
これまでお話ししてきたように、今は新しいビジネスモデルを築くため、職場や組織の枠を超えて、多くの人と関わり、新しい答えを見つけ出すことが求められる時代です。
ひとつの企業、ひとつのビジネスモデル、個人の力だけで勝ち続けるのは難しい。だからこそ、上司と部下、社内と社外がチームとなってエンパワーメントを推進していく。言い換えると、「コラボレーション」が今の時代のキーワードになります。
わかりやすい例で言えば、YouTuberのコラボレーション。それぞれにファンを持つYouTuber同士がコラボすることで、新鮮な話題やコンテンツを提供し、新たなファン層を開拓していく好循環が生み出されています。個人のリソースでは届かなかった領域にも、コラボレーションで手が届くようになる。人気アニメなどのコンテンツも、アパレルや観光といった他業種とコラボして成功を収めています。