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W杯までに知りたい!世界初の認定「サッカー国際試合」までの意外な苦労

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 FIFAワールドカップカタール2022(カタールW杯)が、11月21日ついに開幕する。日本代表はドイツ、コスタリカ、スペインと同じグループEに所属しており、初戦は23日のドイツ戦だ。

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FIFA World Cup © Pavel Byrkin | Dreamstime.com

 ブエノスアイレス生まれのサッカー・ジャーナリストであるルチアーノ・ウェルニッケ氏の著書『サッカーはなぜ11人対11人で戦うのか?』(訳・桑田健)が話題だ。

 競技の歴史から信じられないような珍事まで網羅した同書は、南米、欧州、中東、北米、アジア……世界中で読まれている。今回の記事では、「13:イギリス国外で行われた最初の試合は?」「14:最初の国際試合は?」の項を紹介する(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)。

13:イギリス国外で行われた最初の試合は?

 サッカーボールは19世紀の半ばにイギリスの船で世界を旅した。船が港に入るたびに、船員たちはボールを持って下船して即興の試合を楽しみ、その姿を地元の人たちが好奇心を持って見つめていた。サッカーはその当時の大英帝国の一員だった国々―インド、カナダ、オーストラリア、南アフリカ―のほか、多くのイギリス人が移住した国にも根付いた。

 当時の最も重要なイギリス人コミュニティーのひとつがブエノスアイレスにあった。このコミュニティーの影響力はとても大きく、1891年にはこのアルゼンチンの首都でイギリス国外では初となるサッカーの公式大会が開催された

「晴れたら市民の半分が会場を訪れるだろう」

サッカーはなぜ11人対11人で戦うのか?

ルチアーノ・ウェルニッケ『サッカーはなぜ11人対11人で戦うのか?』(扶桑社、訳・桑田健)

 ガウチョで知られるこの国での最初の試合は、外国人コミュニティー用の英字紙『スタンダード』の主催で1867年5月25日に開催予定だった。同紙は「本日はパレルモでサッカーの試合が行われる。ブエノスアイレスでの初めての試合で、晴れたら市民の半分が会場を訪れるだろう」と報じた。

 悪天候のため、試合は6月20日に延期された。試合当日、16人の選手がパレルモに近いトレス・デ・フェブレロの即席のフィールドに姿を現した。フィールドは三角旗で範囲を区切り、2本の柱が立つゴールにはクロスバーがなかった。両チームは8人ずつに分かれ、赤と白の帽子の色で区別された。試合は午後0時30分に始まり、赤のチームの4対0の完勝で終わった。

サッカーはなぜ11人対11人で戦うのか?

サッカーはなぜ11人対11人で戦うのか?

南米、欧州、中東、北米、アジア……世界中で読まれている サッカー・ファン必携の1冊!知られざるフットボールの歴史100項目。訳・桑田健

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