思い通りにならない世の中で「成功する人」と「成功しない人」の違いとは
フリーランスになって「すっきりした」こと
――この本の中に「不安はなくならない。となれば、不安とは上手に付き合っていく必要がある」という文章が出てきますが、上阪さんはその不安とどうやって付き合ってきたのでしょうか?
上阪:振り返れば、20代の会社員のころは上手な付き合い方を知りませんでした。だから、不安に押しつぶされそうになっていました。未来は不安ばかりでした。ところがフリーランスになって、すべては自分の責任だ、と思うと案外すっきりしたんです。まぁ、なんとかなるだろう、と。
しかもありがたいことに、成功した人や著名な人たちにたくさん会えましたから、取材のついでにいろんな人に「不安とかないんですか?」って聞いてまわっていたんです。それでわかったのは、「不安はなくならない」ということでした。
何十年も芸能界でトップランナーとして走っているようなタレントさんですら、「いつ番組のレギュラーから落とされるだろうって不安が常にある」と言われて。そんな人が不安なのに、自分も含めて普通の人が不安にならないわけがない。これは「付き合っていくしかない」と思いました。
書くことで「不安」を可視化させる
上阪:一方でアドバイスももらいました。ある有名なエッセイストが、こんなことを言われていたんです。「不安があるなら書いて文字にする、可視化することがいい」と。文字にすることで、モヤモヤした不透明な問題を具体的にできるから。これは、いい方法だと思いました。書いたことで、「なんだ、こんなことで悩んでいたのか」と気づけたり。
悩むことは悪いことじゃないんですよ。悩みたい時は悩んでいい。ただ、押しつぶされてはいけないですよね。それでは大切な1日がもったいない。
――上阪さんの職業とは関係なく「書くこと」がいいということですか?
上阪:そう思いますね。言語化・文字化させる。メモでいいんですよ、何かの裏紙でもいい。そこに、思っていることをどんどん書いていく。人に見られたくないような不安や苦しみも書き出す。鬱々とした状況を可視化させる。それで、ゴミ箱に捨てたら、さっぱりするでしょう(笑)。
日記でもいいと思います。文豪もそうですが、昔の人はよく日記を書いていた。書いて客観視できることは、日記の大きな効能だと思います。