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Tシャツは最低1万円。古着ブームに「円安が直撃」業者も嘆く、高騰ぶり

ビジネス

 止まらない円安。中小企業はコスト増加に悲鳴を上げている。客離れを心配して、コストを価格に転嫁できないなか、円安倒産が記録的な件数に。このまま倒産件数は増えるのか? 円安に苦しむ現場の声を届ける。

円安

※画像はイメージです(以下同じ)

数年前と比べて末端の販売価格は3割上昇

円安倒産

古着ディーラーのボブ氏(仮名・30代)

古着ブームでの競争激化、コロナ禍、原油高ときて、円安がトドメになる勢いっス」

 そう語るのは古着ディーラーのボブ氏(仮名・30代)。北米を中心に古着を買いつけ、ショップに卸している。

「アメリカの“ラグ”って呼ばれる廃品回収工場やスリフトで買うんですけど、最近はヨーロッパのディーラーや、TikTokで情報を集める現地の若いコたちと競争になっていて、仕入れ値自体が上がった。

 数年前と比べて末端の販売価格は2~3割上昇、プリントTシャツを1万円以下で出せる店は少なくなってきました」

「特に送料がエグイ」

古着屋の店内写真

 そこに加えて記録的な円安。現地でのガソリン代や送料など諸経費がかさみ、小売価格に上乗せするしかなくなった。

「特に送料がエグイです。地域やシーズンにもよりますが、コートなどの重衣料が10着ほど入る段ボール箱の場合、以前は1箱あたり2万円だった送料が10万円になったという話も仲間から聞いた」

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