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格差が広がる「消費増税」をしたがる国のウラ事情。なぜマイナンバーを活用しない

コラム

マイナンバーで所得税をうまく捕捉できる

マイナンバー

 昔はマイナンバーを導入しない前提で、消費税のほうが徴税効率が高くて国民の相互監視も働くから必要だというロジックだった。しかし、最近はマイナンバーがあるから所得税もうまく捕捉できるはずだ。

 財務省としては徴税しやすければどちらでもいいという考え方だが、マイナンバーだけでは当分、税金を徴収しにくいと思っているだろう。だから消費増税で取ろうとしているのだ。

 マイナンバーが進んで銀行口座が把握できれば、躍起になって消費増税しなくなるが、この理屈はマイナンバーがないと成立しない。所得税に下手に手を突っ込むとトラブルが増えるからだ。それもあって消費増税という理屈がまかり通っていた。

 これは財務省が悪の権化で日本をつぶそうとしているといった類の陰謀論ではなく、ただ単に徴税しやすいかどうかという話だ。実際に仕事をしてみると、そんな陰謀論のような話は聞こえてこない。

<TEXT/嘉悦大学ビジネス創造学部教授 髙橋洋一>

1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学ビジネス創造学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(内閣総務官室)等を歴任。

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