「日本一バズる公務員」が地元のヒット商品発掘を“よそ者”に任せるワケ
何億円も売り上げると生産者も優しくなる
先ほど、ふるさと納税は地方自治体にとって凄まじい魅力があると書きました。担当者にとっても同様に魅力ある存在です。地方自治体のふるさと納税担当者って、結果が出ないと生産者さんや事業者さんから冷たくあしらわれますが、結果が出るとチヤホヤしてもらえます。何億円も売り上げると事業者さんが笑顔で話しかけてくれ、厳しかった生産者さんも優しくなります。
小さな田舎町なら「億の男」なんて呼ばれてとんでもなく目立ちますし、私は全然モテなくて逆に離婚してしまいましたが、中にはモテる人もいるでしょう。聞いた話だと、高級外車を乗り回す人もいるのだとか。
基本的に嫌われていて外に出ることのない地方公務員が、いろんな人に優遇されて大都会への出張が続くようになると、自分の力を過信して天狗になりがちです。その結果、大失敗してしまうケースってよくあります。
基本的にビビリなので調子に乗らなかった
控え室すらないイベントに参加し、お客さんのいない舞台に立つ日々からスポットライトを浴びるという経験を私は幸運にも一度しているので、変わらず黙々と働くことができました。むしろ、しんじょう君の仕事と同時進行しているため、休みがないです。基本的にビビリなので調子に乗って、おかしなことをするなんてできません。
というわけで、世の中が「行政改革だ!」と人員を減らす中、私たちはスタッフを1人から8人に増やして人材に集中投資していきました。結果、初年度は走りながらやっていたことも、次年度以降は余裕をもって取り組めるようになりました。
おかげさまで、ふるさと納税はベースで11億円をキープするまでに成長しました。ふるさと納税によって税収が億単位に増えたのはいいですが、「何に使うかが大切」と書いてきたので、何に使われたのかって気になりますよね。それについてはまた追って紹介したいと思います。
<TEXT/地域創生請負人 守時 健>