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「10時間努力したのに…」報われない人に必要な“たった1つ”の思考

学び

余裕がある人とない人の圧倒的な差とは?

落ち込む男性

 実際、「余裕のある人」と「余裕がない人」ではどう違うのでしょうか? それを心・技・体の3点から考えてみたいと思います。まず心です。心に余裕があれば、「より少なく、よりよく」と捉えるようになります。

 しかし、その逆は「より多く、よりよく」と考えるため、あれもこれも大事と考え、他人はどうなのか? と比較することまで考えて、そこに心を乱されます。

 次に「技」です。余裕のある人は「知識や情報収集は最小限」に留めます。アウトプットを重視して、得た情報と実践の関係性を精査していきます。分野も得意なものに絞って磨き上げるように心がけます

 しかし、余裕がないと「知識や情報収集は貪欲」になります。インプット過多になり、時間がなくても意地になって頑張り、やることも増やすはめになります。結果、本質的な目的や自分がしたいことも見失うように。情報の咀嚼や自分なりの考えを見出すアウトプットの圧倒的な不足から、成果も上げにくくなります。

余裕のある人の「体」の使い方

 最後に体です。余裕のある人は「集中することを見極める」ようになります。やることを減らし、力を借りられることは他人に委ね、仕組みを考えては省力化に努めます。

 一方で、余裕がなければ「やみくもに頑張る」に徹するでしょう。結果的に、何でも自分でやろうと行動してアップアップ……。そうしたひとり相撲は、ときに周囲をよせつけず、協力も得にくくなって、孤立した形にもなってしまいます

 このように「余裕のある、なし」が結果にもつながっていくことがわかったでしょう。「頑張っても成果が上がらない」は必然なのです。限られた時間やお金、スキルなどを使って、最大限のパフォーマンスを出すのは、「今、集中すべきは何か」と考える、ゆとりを作り出す思考法なのです。

<TEXT/人材育成トレーナー 鈴木進介>

コンサルタント。1974年生まれ。株式会社コンパス代表取締役。現在は「思考の整理術」を使った独自の手法で人材育成トレーナーおよびコンサルタントとして活動中。大学卒業後、IT系企業や商社を経て25歳で起業。著書に『本当に大切なことに集中するための頭の“よはく”のつくり方』(日本実業出版社)など多数
HP:鈴木進介公式サイト

本当に大切なことに集中するための 頭の"よはく"のつくり方

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思考の整理家である著者が考案した、「いっぱいいっぱい」の状態から、無理なく自分らしさを取り戻し、行動を軽くすることができるようになる一冊

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